環境に適応できなかったFW
【写真:Getty Images】
監督との相性、ゲームプランの巧拙、環境適応能力など、選手が能力を発揮できない理由はいくつかある。モイゼ・ケーンもこの例に当てはまり、食事の時間まで強制したマルコ・シウバ前監督に辟易とし、イタリア語を話せるスタッフが少なすぎたため、ホームシックにも陥った。しかし、29節終了時点で1点とは情けない。ケーン本人にも溶け込む努力が必要だ。
ケーン同様、ジョエリントンもわずかに1点。ニューカッスルを率いるスティーブ・ブルース監督のゲームプランが大味で、攻撃には幅も奥行きもない。その結果、ジョエリントンが前線で孤立しているとはいえ、ブラジル人ストライカーの決定力が不足していることもまた事実だ。ポストワークは及第点なのだから、シュートを撃つ際の冷静さが望まれる。
そして最後にカラム・ウィルソンだ。どうやらフレイザーと同じ症状のようだ。やれユナイテッドだ、いやチェルシーだ、とシーズン前はメガクラブ移籍も噂されたが、正式なオファーはひとつも届かなかったという。
こうしてモチベーションが低下し、プライドはいたく傷つけられた。積極的な仕掛けが消え、ペナルティーボックス内に進入しても簡単に倒れる。ボーンマスのエディー・ハウ監督も、「気持ちを強く持って、ウィルソンらしいプレーを」と励ましているのだが……。
期待の裏返しともいうべき辛辣な評価と、もはやあきらめの境地と、ワーストイレブンはプラスマイナスの感情が複雑に混ざり合う人選となった。とくにポグバは残念だが、ユナイテッドでは輝けそうにない。留めておいてもトラブルの火種になるだけだ。
近ごろの不調が災いし、なおかつ契約最終年でもあるため、市場価格は5000万ユーロ(約63億円)程度とみられている。16年夏、ユベントスから獲得したときは1億500万ユーロ(当時のレートで約119億円)。50%近いマイナスとはいえ、売るなら今しかない。
なお、控えの7名は以下のとおり。彼らももっとできるはずだ。奮起せよっ!