バルサ化を加速させるも…(2019年)
ヴィッセル神戸、2019シーズンの基本フォーメーション(黄色は新加入選手)
【シーズン成績】
明治安田生命J1リーグ:8位(14勝5分15敗)
YBCルヴァンカップ:グループリーグ敗退
天皇杯:優勝
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ファン・マヌエル・リージョ監督体制2年目となった2019シーズン。この年のヴィッセル神戸を表すならば、「激動」という言葉で十分なのかもしれない。
オフ期間から神戸の動きは活発だった。同クラブはDF西大伍、MF山口蛍、FWダビド・ビジャら多くの実力者を獲得。さらにシーズン開幕直後には元バルセロナ所属のMFセルジ・サンペール、DFダンクレーを新戦力に加えるなど、“バルサ化”をさらに加速させた。ここにMFアンドレス・イニエスタ、FW古橋亨梧などの既存戦力もおり、Jリーグ屈指の陣容を揃えることに成功していた。
開幕から5試合で3勝1分1敗とまずまずの成績を収めていた神戸。しかし、クラブに激震が走ったのは4月のこと。第6節と第7節で連敗を喫したその直後に、クラブはリージョ監督の意向で契約を解除したことを発表。さらにFWルーカス・ポドルスキが主将の辞任を表明するなど、日本中に衝撃を与えたのだ。
揺れに揺れる神戸。新監督には再び吉田孝行氏が就いたが、チームの成績は安定せず、第6節から第12節まで泥沼の7連敗を記録している。順位は一気に下がり、残留争いを強いられることになった。
転機となったのは6月。神戸は吉田監督が退任し、新指揮官にドイツ人のトルステン・フィンク氏を迎えることを発表したのだ。
さらに神戸は夏場にベルギー代表DFのトーマス・フェルマーレン、DF酒井高徳、FW藤本憲明、GK飯倉大樹を獲得するなど積極補強を敢行。戦力アップを図り、巻き返しを狙ったのである。
フィンク監督は就任後、システムを3バックに固定。より守備の安定性を求め、前線のスピードを生かした速攻も随所に組み込むなど攻守両面に新たな調味料を加えた。
するとチームの調子は上向きに。フェルマーレン、酒井と新加入選手も見事にフィットし、後半戦は白星を重ねる機会も増えた。最後は3連勝でシーズンを締め、一時15位にまで沈んだ順位も7位にまで回復することに成功している。
そして、今年1月には鹿島アントラーズとの一戦を制してクラブ史上初となる天皇杯優勝を飾った。同時にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権も獲得しており、クラブにとって大きな財産となったのは確かだ。
バルサ化を目指しながらリージョ監督が辞任。クラブにとって難しいシーズンであったことは確かだが、天皇杯優勝をもたらすなどフィンク監督の手腕も光った。結果的にはだが、収穫を得ることができたと言えるだろう。
この5年間で神戸の姿は大きく変わった。基本スタメンの中で「最古参がイニエスタ」という事実がそれを物語っている。
▽GK
飯倉大樹
▽DF
大崎玲央
ダンクレー
トーマス・フェルマーレン
▽MF
セルジ・サンペール
西大伍
酒井高徳
山口蛍
アンドレス・イニエスタ
▽FW
古橋亨梧
ダビド・ビジャ
【了】