マッチプレビュー
【写真:Getty Images】
プレミアリーグでは首位を独走するリバプールだが、アトレティコ戦以降は歯車がかみ合わない試合が続いている。ウェストハムには逆転勝利を収めたが、続くワトフォード戦は0-3のスコアでリーグ戦初黒星を喫した。FAカップ5回戦でもチェルシーに敗れ、勝利したボーンマス戦もどこかちぐはぐな内容だった。
リバプールは試合序盤の失点が響いて1stレグを落としたが、2ndレグが行われるホーム・アンフィールドでリバプールは無類の強さを発揮している。2018年9月26日のチェルシー戦からおよそ1年半に渡って一度も負けていないという記録が残っている。
昨季の準決勝2ndレグ・バルセロナ戦の「アンフィールドの奇跡」は記憶に新しい。カンプノウで行われた1stレグを0-3で落とし、リバプールの決勝進出は絶望的と思われた。さらに、ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラーを欠くという絶体絶命のピンチだったが、2ndレグで4-0の大勝を収めて奇跡の大逆転。勢いそのままに決勝でもトッテナムを破って14季ぶりのCL制覇を達成している。
リバプールは勝利が必須だが、失点を喫するとアウェイゴール数で上回られるため、堅守を誇るアトレティコを相手に2点差以上で勝たなければならなくなる。つまり、得点を奪うことと同じように、失点を許さないことが重要。4バックはお馴染みの顔ぶれが並ぶことが予想される中で、負傷のアリソンに代わってゴールマウスを守るアドリアンのパフォーマンスが非常に重要になってくる。
今季リバプールに加入したアドリアンは、リーグ開幕戦で負傷したアリソンの代役を務めるなど、ここまで公式戦17試合に出場している。今季、出場した28試合のうち半分の14試合でクリーンシート(無失点試合)を記録している守備の要を欠くのは痛いが、代役のこの大一番での奮起に期待したいところだ。
アトレティコも1stレグ以降、リバプール同様に国内ではなかなか勝ち点を積み上げられていない。ビジャレアルには勝利したが、最下位エスパニョールと3位セビージャには引き分け、ヘタフェに抜かれてCL出場圏外の5位へと順位を落としている。
モラタの不在は大きな穴となるが、1stレグを欠場していたジョアン・フェリックスがキーマンになるだろう。ケガから復帰後は3試合2得点と結果を残しており、大一番に大きな期待がかかる選手の1人になるだろう。
引き分け以上、もしくは1点差負けでも得点を決めれば準々決勝が決まるアトレティコは、アウェイでの90分をどのように戦っていくのだろうか。開始早々に先制した1stレグでは粘り強く守備を固める戦い方を選んだが、大観衆を背に力を発揮するリバプールを相手に、同じように守るのは得策ではないかもしれない。幾多の修羅場を経験してきたディエゴ・シメオネ監督の手腕が試されることになるだろう。
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