「彼とはたくさん会話をしたなあ」
――バルセロナのカンテラで3歳年下だった久保建英のことは知っている?
「ああ、当然知っている。ラ・マシアで一緒だったからね。僕がバルセロナでプレーしていた頃、FIFAが指摘する問題が生じるまでは彼も同じくプレーしていた。とても優秀な選手だったし、最高のタレントだ。日本に戻ってからわずか16歳で1部リーグでプレーし、最高の選手の一人になったことも知っている。今はスペインに戻ってきたわけだけど、彼の活躍は嬉しく思うよ」
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――今はマジョルカ在籍だよね。
「そうそう。彼は素晴らしい子だ」
――会話したことはあるの?
「もちろん! 小さかった頃の彼を覚えているよ。僕も当時は小さかったけどね(笑)。彼とはたくさん会話をしたなあ。本当に良い子だよ。きっと今も良い人柄のままでいるのは間違いないよね」
――日本はバルセロナを模倣するきらいがある。全世界がそうかもしれないけど……。
「ははは(笑)。バルセロナを模倣するのが難しいことは言うまでもない。バルセロナは世界で最も美しいサッカーの一つを演じているわけだからね。しかし、バルセロナのスタイルにチャレンジし、少しでも成功したのならば、相手にとって危険な局面をたくさん作ることができる。それだけにチャレンジするのは良いことかもしれないね」
――日本にはスペイン代表のファンがたくさんいるよ。
「それは最高だね! 五輪の試合にも来てくれそうだね!」
――もしEURO2020に出場したとしても五輪には参加できるの?
「可能だよ。EURO開催が6月12日〜7月12日、五輪開催が7月24日〜8月9日と被っていないからね」
――もし君がそれぞれの代表に選ばれたとしたら、両大会とも出場するつもりなの?
「うん! そうなったら最高だよね!(笑)」
――最後に日本のサッカーファンにメッセージを。
「東京五輪に参加できることだけでも僕は誇らしく思っているよ。みんなが大会を楽しんでくれることを望んでいるし、最後には僕たち全員がハッピーになれるといいよね!」
今冬の移籍を決断したオルモに対し、ミランが熱心にラブコールを送るものの、若き知将ナーゲルスマン監督がヤングタレントを束ねるRBライプツィヒからのオファーを即決。1月25日に5年契約を結んだ。移籍金は1800万ユーロ+ボーナスで、活躍次第で最大総額4000万ユーロ前後になる可能性も。
16歳でバルセロナからディナモに移籍した際と同じく、さらなる成長を見据えた「最良の選択」をしたのは、いかにも堅実な彼らしいところだ。
ドイツに旅立つ日、別れの言葉を一晩悩み続けたオルモは、ディナモのチームメイトを前に涙を流し、何も言い出せなかったという。
(インタビュー・文:長束恭行)
▽ダニ・オルモ(Dani Olmo)
1998年生まれ、スペイン・カタルーニャ州バルセロナ県タラサ出身。U- 23スペイン代表。FCバルセロナのカンテラを経て、2014年に16 歳という若さでクロアチアの強豪ディナモ・ザグレブに移籍し2015年にトップチームデビュー。インサイドハーフとして主力に定着。クロアチアでの活躍が注目され、ビッグクラブの争奪戦となる。2020 年1月、ドイツの新興勢力RBライプツィヒに移籍。
【了】