イギリス『BBC』は、店内に特設スタジオ
JR浦和駅西口から歩いて5分のところにある『酒蔵力』は、「浦和レッズサポーターのサポーター」として知られている。2019年12月に創業50周年を迎えた老舗の居酒屋は、敷地12坪にコの字カウンターの〝せんべろ居酒屋〞から始まり、今では埼玉県内に11店舗(うち1軒は牛タン専門店)、都内に1店舗の直営12店舗を有するまでに成長した。産地直送の長野・上田牛を「安く」「美味く」がモットーだが、様々な客層で賑わう店内を見れば、幅広いファンがいることがよくわかる。
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その力の浦和本店を切り盛りするのが店長の今井俊博である。今井は知る人ぞ知る浦和の有名人であり、浦和レッズとともに人生を生きている。
2002年日韓ワールドカップでは、多くの外国人が日本を、そして浦和の街を訪れた。かのイギリスの国営放送『BBC』は、本店の店内に特設スタジオを作り、連日ラジオ中継を世界に向けて放送したというから驚きだ。ゲストにはイングランド代表のレジェンドでもあるケヴィン・キーガンも訪れたという。この大会が今井にとってサポーターとして、けじめの大会となった。
「力に入社したのは2002年のワールドカップが終わって、しばらくしてからです。ワールドカップが終わって、少し燃え尽き症候群みたいなところがあったんです。専務からもずっと『社員になれ』って誘ってもらってました。浦和の街だったらいろいろな人がいるので、1年間365日、知らない人にサッカーの素晴らしさを教えてあげたり、広める側になれればいいのかなって。だから自分はスタジアムにいるより、店にいる方がいいのかなって、考えるようになったのがこの頃でした」
(文:吉沢康一)
【了】