マッチプレビュー
【写真:Getty Images】
下馬評ではユベントスが圧倒的に有利だ。世界的なブックメーカーの『ウィリアムヒル』の勝敗予想オッズを見ると、アウェイゲームにも関わらずユベントスの勝利は配当1.95倍、一方でホーム側のリヨンは4.2倍と予想されている。
リヨンが不利と見る世間を驚かせるには、多くの困難を乗り越えなければならないだろう。エースのメンフィス・デパイを負傷で欠く若手タレント集団は、やはり百戦錬磨の勇士たちが揃うユベントスに個の力で大きく劣る。
リュディ・ガルシア監督はシーズン途中の就任以降、4-3-3をベースにチーム作りを進めてきた。直近のリーグ戦ではユベントスを意識したのか3-4-3を試したが、これまで通り4-3-3で挑むのが無難だろう。リヨンにおいて最も豊富にタレントが揃う中盤の組み合わせは豊富で、前線のアタッカーたちの特徴も生かしやすい。
注目は冬にブラジルのアトレチコ・パラナエンセから獲得したMFブルーノ・ギマランイスだ。同国の東京五輪世代を代表するタレントで、数々のビッグクラブから引っ張りだこだった逸材は、欧州初挑戦の舞台にリヨンを選んだ。
ただ、U-23ブラジル代表として東京五輪出場権を獲得するための南米予選に参加していた影響でチームへの合流が遅れた。21日のFCメス戦でついにリヨンでの公式戦デビューを果たしたばかりという不安要素はあるものの、ビッグゲームで実力を試す素晴らしい機会が目の前にある。ユベントス戦はブルーノ・ギマランイスにとって試金石になりうる舞台だ。
ユベントスはセリエAで一時インテルに首位の座を譲ったが、現在は順位表のトップに返り咲いている。負傷離脱者も少なく、主力でリヨン戦を欠場予定なのはMFミラレム・ピャニッチだけだ。前線ではFWパウロ・ディバラが輝きを取り戻し、セリエAで21試合出場21得点のFWクリスティアーノ・ロナウドも衰え知らずの存在感を発揮している。
最終ラインにはCLの戦いを知り尽くしたDFジョルジョ・キエッリーニが復帰してきた。やはりDFレオナルド・ボヌッチとのコンビネーションは絶品で、CLのような大舞台では2人の経験が頼りになりそうだ。両サイドバックのDFダニーロとDFアレックス・サンドロも盤石で、4バックには大きな隙が見られない。
リヨンとしてはホームゲームの1stレグを何とか最少失点で終え、勝利したうえで2ndレグを迎えたいところだ。もし不利な状況でアウェイに乗り込んでの2ndレグを迎えることになれば、準々決勝進出の可能性は極めて低くなると考えて差し支えない。なぜならユベントスはホームでめっぽう強く、今季公式戦17試合で1つも負けていない。引き分けすらも1試合のみという圧倒的な結果を残しているからだ。
【了】