アシスト王の移籍は痛いが…
昨シーズンのベガルタ仙台は序盤戦からつまづき、一時は降格圏に沈んだ。後半は復調して11位まで順位を上げたが、オフには6シーズン率いた渡邉晋氏が監督を退いた。後任にはジェフユナイテッド千葉やモンテディオ山形を率いた木山隆之氏が監督に就任。7季連続の2ケタ順位からの脱却を図るべく、多くの選手が入れ替わっている。
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オフには、リーグ最多の10アシストをマークした左サイドバックの永戸勝也が鹿島アントラーズに完全移籍した。さらに、16年間在籍した梁勇基はサガン鳥栖に、キャプテンを務めた大岩一貴と35歳の石原直樹は湘南へ移籍した。経験豊富な選手が抜けて、クラブとしては世代交代を図った様相となった。
永戸の穴は大きいが、例年に比べれば多くの主力選手を残留させることができたと言えるだろう。外国籍選手では、昨季の復調を支えたGKヤクブ・スウォビィクとDFシマオ・マテが残留。6得点を挙げたFWハモン・ロペスは退団したが、イサック・クエンカの獲得に成功している。
ポジションごとに見ていくと、昨シーズンのセンターバックはシマオ・マテと平岡康裕が不動の存在となっていた。出場機会を減らした大岩が抜けたものの、サンフレッチェ広島から加入した吉野恭平がその穴を埋めることになるだろう。
サイドバックには、ボタフォゴからDFパラ、水戸ホーリーホックから浜崎拓磨を獲得した。24歳のパラはセリエA(ブラジル)で40試合に出場するなど経験を持つブラジル人DFで、浜崎は3年間プレーした水戸で37試合に出場している。左サイドバックを本職とするパラには、永戸の穴を埋める活躍が期待される。
中盤の顔触れは大きく変わらない。昨季の主力だった松下佳貴、富田晋伍に加えて、ベテランの兵藤慎剛、そして昨季はレノファ山口で22試合に出場した佐々木匠が、2年半ぶりに期限付き移籍から復帰している。
石原やロペスが抜けた前線には、アレクサンドレ・ゲデスと赤﨑秀平を獲得した。ゲデスはポルトガル1部のヴィトーリア・ギマラエスから期限付きで加入した身長185cmのストライカー。今季は2回戦から参加したUEFAヨーロッパリーグ予選で6試合中4試合に先発して1得点を挙げた。しかし、本選やリーグ戦ではなかなか出場機会を得られず、公式戦8試合の出場で2得点という結果に終わっている。
ゲデスの実力は未知数だが、赤﨑は貴重な前線のバイプレーヤーになるだろう。名古屋ではベンチスタートとなる試合が多かったものの、16試合の途中出場から4得点をマークしている。長沢駿ともタイプが違うだけに、前線に変化を加えられる存在になるだろう。
木山新監督率いる仙台は、ポゼッションスタイルを持ち込んだ前任者とは異なるサッカーを見せるだろう。実績的に見れば、昨季と遜色ないメンバーを揃えているように見える。順位表の上半分か下半分かは、新戦力がどれほどの活躍を見せるかに大きく左右されるだろう。