U-23シリア戦は勝利が必須
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【U-23アジア選手権】
サッカーU-23日本代表は9日、タイで行われているAFC U-23選手権(東京五輪アジア最終予選)のグループリーグ第1節でU-23サウジアラビア代表と対戦している。
試合は前半からお互いに激しい攻防を繰り広げる展開に。そんな中、森保ジャパンは後半立ち上がりにまさかの先制点を献上。その後はFW食野亮太郎の得点でなんとか同点に追いついたが、試合終了間際にDF古賀太陽が痛恨のバックパスミスを犯し、最終的に相手へPKを与える形に。これをU-23サウジアラビア代表に冷静に沈められ、森保ジャパンは大事な初戦を1-2で落とす結果になった。
そんな同試合から中2日で、U-23日本代表はグループリーグ第2節でU-23シリア代表と激突する。相手は、初戦のU-23カタール代表戦を2-2で終えているなど、どこか不気味な存在だ。当然、U-23シリア代表は第2節で勝利することができれば、決勝トーナメント行きの可能性を大幅にアップさせることができる。森保ジャパンにとっては、厄介な相手になるだろう。
U-23日本代表は、この試合で敗れるとグループリーグ敗退が確定することになる。すでに東京五輪への出場を決めているとはいえ、アジア王者を目指す上では絶対に落とせない一戦となる。引き分けでも、決勝トーナメント行きは厳しいだろう。是が非でも勝ち点3を奪いたいところである。
U-23サウジアラビア代表戦から中2日ということで、スタメンは大きく変更してくる可能性が高いだろう。今回はそういった点を踏まえ、スタメン案を紹介していきたい。
GKには大迫敬介を推す。同選手はU-23サウジアラビア代表戦に出場し、2失点こそ喫したが、本人も試合後に「感覚的にも良かった」と振り返るなどパフォーマンス自体は決して悪くなかった。何がなんでも勝利がほしいU-23シリア代表戦でも、同選手の決定的なセービングは活きるはず。小島亨介、谷晃生よりも経験値が豊富なのは明らかで、こうした緊張感漂う舞台でも頼りになるはずだ。
3バックは左から町田浩樹、立田悠悟、渡辺剛でどうだろうか。
町田は所属する鹿島アントラーズが天皇杯決勝を戦ったため、代表への合流が遅れ第1節での出番はなかったが、コンディション等に問題がなければ第2節では出番が訪れるだろう。身長190cmの体躯を生かした対人や空中戦の強さは抜群で、なんと言ってもCBの中では貴重なレフティーである。3バックの左にピッタリと収まる選手だと言えるだろう。
立田も身長189cmと大柄で、対人戦などには絶対的な自信を持っている。最終ラインから繰り出す正確なロングフィードにも定評があり、年代別代表での経験値も豊富だ。11月の親善試合・U-22コロンビア代表戦ではフル出場を果たしながら2失点と低調なパフォーマンスに終わったが、ここでアピールできるかどうかに注目だ。
渡辺はU-23サウジアラビア代表戦でフル出場を果たしている。チームは結果的に2失点を喫したが、対人やボールへの反応など、同選手が相手より勝っている部分も多かった。U-23シリア代表戦でも、そうした強みはチームを救うはず。今度こそ、相手を完封できるか。
攻撃陣の顔ぶれは?
左ウイングバックには遠藤渓太、右ウイングバックには相馬勇紀を推したい。
遠藤は昨年12月に行われたEAFF E-1サッカー選手権でも同ポジションで奮闘。守備時には最終ラインまで下がって味方をサポートし、攻撃面では果敢な仕掛けで存在感を放った。U-23シリア代表戦では、とくに攻撃面での活躍を期待したい。勝利が必須という中で、遠藤のドリブルなどは相手を押し込む上で重要なものとなるはずだ。
相馬も遠藤と同じくE-1サッカー選手権で豊富なスタミナをフル活用し、チームに勢いを与えた。積極的に縦へ仕掛け、そこから繰り出されるクロスはチームの攻撃に厚みをもたせる意味でも効果的であった。U-23シリア代表戦でもそうした強みは見せたいところ。遠藤同様、攻撃面での活躍に期待したい。
中盤底2枚は齊藤未月と松本泰志を推したい。
齊藤は小柄ながらカードを恐れずボールに食らいついていくことができる選手だ。所属する湘南ベルマーレで培ったハードワークと走力はこうしたアジアの舞台でも活きることは確かで、相手の攻撃を早い段階で摘む上でも重要となる。森保一監督の下でのプレー経験は少ないが、U-23シリア代表戦でその力を見ておく意味はあるだろう。
松本は落ち着いて正確にボールを散らし、ゲームを組み立てることができるボランチだ。常にボールに絡もうとする姿勢を失わず、冷静なプレーでチームにリズムを与える。フィジカルの部分はやや相手に劣るかもしれないが、何がなんでも点を奪わなければならない時こそ頼りになる選手と言えるだろう。齊藤との連係にも注目だ。
シャドーには森島司と田川亨介を推す。
森島はE-1サッカー選手権でハイパフォーマンスを見せた選手の一人だ。ボールを受けるタイミング、位置ともに巧みで、受けた後のアイデアも申し分ない。ドリブルでの突破力ももちろんだが、U-23シリア代表戦では味方を活かすプレーに注目したい。森島が持ち味を発揮できれば、チームの攻撃にも勢いがつくはずだ。
田川は豪快かつ泥臭くゴールに向かって行ける選手。裏のスペースへ飛び出す快速とボールに飛び込む勇気あるプレーは、U-23シリア代表にとっても脅威となるはず。サイドからは相馬のクロス、中央では森島や松本のパスなど、田川をより活かせる選手は揃っている。決定的な仕事を果たしたいところだ。
そして1トップには上田綺世を推す。森保監督から信頼を寄せられている選手であることは確かで、初戦が小川航基が先発だったことを考えると、U-23シリア代表戦では同選手に出番が回ってくる可能性は高い。ポジショニングの良さは別格で、パスを引き出す上手さはこの世代では飛び抜けていると言えるだろう。あとは、肝心のゴールを決めたいところだ。
(文:編集部)
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