イングランド・プレミアリーグで歴代2位となる通算208ゴールを挙げたFWウェイン・ルーニー。16歳時に決めた初ゴールは、“伝説の始まり”を告げるのにふさわしいスーパーゴールだった。

　エバートンの下部組織で育ったルーニーは2002/03シーズンのプレミアリーグ開幕戦でトップチームにデビュー。10月にリーグカップで初ゴールを挙げたのに続いて、2002年10月19日のアーセナル戦ではプレミアリーグでも初ゴールを記録した。

　1-1のスコアで迎えた90分、味方選手からの浮き球を前線で受けたルーニーは巧みなトラップでボールを収めると素早くターンし、中央へ一歩進んだあと右足を一閃。エリア手前から放たれたボールはGKの伸ばした手の先を越え、クロスバー下部を叩く絶妙なコースでゴールに突き刺さった。

　この終了間際の決勝ゴールでエバートンは劇的勝利。前年王者のアーセナルが30試合にわたって継続していた連続無敗をストップさせ、首位からも引きずり下ろす一撃となった。

　16歳360日での初得点は、プレミアリーグの当時の最年少得点記録を更新するものでもあった。ただし、この記録はわずか2ヶ月後にリーズ・ユナイテッドのMFジェームズ・ミルナー（現リバプール）に塗り替えられることにはなったが。

「おそらくこれから何百点も決めるゴールの最初の1点」と現地実況が口にしていた言葉は現実のものとなった。ルーニーはマンチェスター・ユナイテッドでもイングランド代表でも伝説的名手ボビー・チャールトン氏の通算得点数を上回り、歴代1位に君臨している。

　現在34歳となったルーニーは米国でのプレーを経て、チャンピオンシップ（イングランド2部）のダービー・カウンティに加入して母国復帰。2日に行われたバーンズリー戦でデビューを飾り、新たな挑戦をスタートさせている。