3連覇の重圧がかかる中…
川崎フロンターレ【写真:Getty Images】
昨シーズンは圧倒的な強さを見せてリーグ連覇を成し遂げた川崎フロンターレ。得点数「57」、失点数「27」はどちらもリーグトップの数字であった。そして今季、リーグ3連覇という重圧がかかる中、その偉業を成し遂げることは出来なかった。
今シーズンの川崎Fはスタートから躓いてしまう。開幕3試合連続で引き分け、第4節のガンバ大阪戦で初黒星を喫してしまう。しかし第5節・松本山雅FC戦で初勝利を挙げると、そこから4連勝を飾りチームは調子を取りし、引き分けを挟みながらも連勝街道を走る。
しかし第20節・広島戦に敗北をして以降調子を落としてしまい、3ヶ月以上黒星がなかったチームが、今度は約1ヶ月間勝利から遠ざかってしまった。夏場を得意としている川崎Fだが、この時期に失速をしてしまったことで優勝争いから一気に離脱をすることになってしまった。シーズン終盤には立て直したものの、終わってみると順位は4位。首位との勝ち点差は「10」と離されてしまった。
川崎Fの戦力を考えれば十分に優勝をすることも可能であった。黒星の数はリーグで最も少ない「6」である。それでも4位となってしまったのは引き分けの多さにあり、12試合も引き分けている。勝ちきれない試合が多かったため、思うように勝ち点を積み上げることが出来なかった。
勝ち切れなかった原因に怪我人の多さが挙げられるだろう。チームの壁として活躍をしてきた奈良竜樹が左膝の大怪我によって長期離脱を余儀なくされ、今季から加入をしたジェジエウも筋肉系のトラブルにより離脱。
DFラインだけでなく、8月に大島僚太と齋藤学が負傷したことで、同時期に失速をしたとも言えるだろう。また川崎Fの大黒柱とも言える中村憲剛が第30節・広島戦で左膝前十字靭帯負傷の大怪我を負ったことは悲報であったが、それでも川崎Fはラスト4試合を3勝1敗で乗り切った。
また怪我人だけでなく、右SBのエウシーニョが抜けたことでその代役を務め上げる選手を見つけることが出来なかったも川崎Fにとってマイナスとなった。結局シーズン途中から左SBが本職の選手やボランチが本職の選手を右SBで起用する事態となってしまった。早急に改善すべき場所だ。
そして開幕前に獲得をしたワールドクラスのストライカー、レアンドロ・ダミアンは川崎Fのパスワークを主体とするサッカーに苦戦をしてしまい、本来の実力を発揮することが出来なかった。それでも同選手はリーグ戦で9ゴールを記録したのは流石だ。とは言え、来季も残留するのであれば使い方を考えなければならないだろう。
リーグこそ4位に終わってしまったが、ルヴァンカップでは初優勝を果たした。タイトルを獲得したことで最低限のミッションをこなしたと言えるシーズンになった。