仲川輝人【写真:Getty Images】
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【日本 0-1 韓国 EAFF E-1サッカー選手権】
日本代表は18日、EAFF E-1サッカー選手権・韓国大会の第3戦で韓国代表と対戦し、0-1で敗れている。この結果を受け、日本代表は2013年以来となる優勝を逃す形に。史上初の男女ダブル制覇はならなかった。
この大会でひと際大きな注目を浴びたのがFW仲川輝人である。同選手は今季の明治安田生命J1リーグを制した横浜F・マリノスでエースとして活躍し、リーグ戦で15ゴールを挙げ得点王を獲得。さらには今季のJリーグにおけるMVPをも獲得するなど、日本中にその名を響かせた選手だ。
その活躍を受け、森保一監督はE-1サッカー選手権に挑む日本代表メンバーに仲川を招集。初の代表入りを果たした同選手は背番号10を身に着けるなど、マリノスだけでなく、日本の新たなエースとして活躍が求められた。
しかし、待っていたのは厳しい現実であった。初戦の中国代表戦で出場なしに終わった仲川は、続く香港代表戦で先発入りを果たすものの、相手の徹底マークに苦しみ持ち味を生かせない。その試合で日本代表は5-0と大勝を収めたのだが、仲川が得点を奪うことはできなかった。
そして迎えた韓国代表戦。背番号10は再びベンチスタートとなった。出番が訪れたのは78分で、プレー時間はわずか10分ほどしかなかった。さらに相手は韓国代表。そう簡単には特徴を出させてくれず、試合は終了のホイッスルを迎えた。
E-1サッカー選手権の2試合でノーゴール。Jリーグ・MVPにしては寂しい結果で、期待を残念ながら裏切る形になってしまった。慣れないシャドーでの出場ということで難しい部分はもちろんあっただろうが、インパクトを残せなかったのは事実だ。
もちろん、森保監督の起用法にも問題があった。韓国代表戦の途中で仲川をピッチに送り出したが、その時チームはすでに相馬勇紀のクロス一辺倒の攻めとなっており、身長で他の選手に劣る仲川にとっては難しい状況だった。そのような中では結果を残すことは厳しいと言えるだろう。
だが、この2試合の結果を受け仲川の代表定着が困難となったのも事実。フル代表では4-2-3-1が採用されており、その場合仲川は右サイドハーフに入ると思われるが、同ポジションには久保建英、堂安律、伊東純也ら欧州で活躍する選手が揃っている。彼らの牙城を崩すのは非常に難易度が高い。
堂安と久保が今後U-22日本代表を主戦場にした場合でも、ファーストチョイスは伊東が濃厚。右には原口元気が回ることもでき、浅野拓磨も同ポジションでの起用は可能だ。こうなると、仲川の序列は最高でも4番手。それは事実上、代表メンバーから漏れることを表している。
もちろん今後の活躍次第では序列が上がる。ただ、森保監督はカタールワールドカップ・アジア2次予選などで新たな選手を招集することがほとんどないため、アピールの場はかなり少ないと言わざるを得ない。
JリーグMVPは立派な結果だ。しかし、代表に定着するには代表で結果を残さねばならない。そういった意味でも仲川の代表定着は極めて難しい。
(文:編集部)
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