なでしこジャパン【写真:Getty Images】
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【韓国 1-0 日本 EAFF E-1 サッカー選手権】
EAFF E-1 サッカー選手権・韓国大会の最終節、韓国女子代表対日本女子代表(なでしこジャパン)の一戦が行われ、なでしこジャパンが1-0と勝利し、4大会ぶり3度目の優勝を決めた。来年の東京五輪に向けて大きな弾みとなったが、五輪は世界中の強豪国と戦う。ライバル国は韓国女子代表や中国女子代表だけではない。
まず一番のライバルはやはり米国代表だろう。女子ワールドカップでは全ての大会で3位以上の成績を残し、2015年、2019年と2大会連続で優勝をしている。五輪では6大会連続で出場し、4度の優勝を経験している。まさに女子サッカー界のトップに君臨し続けるナショナルチームだ。
FWアレックス・モーガンやFWミーガン・ラピノーなど強力のアタッカー陣が自慢のチームだ。しかし、モーガンは現在第1子を妊娠中で、出産予定は東京五輪3ヶ月前の来年4月だという。
現時点で米国の五輪出場はまだ決定していないが、実力を考えれば来年は東京へやって来るはずだ。
そしてオランダ代表もライバルの一国だ。なでしこジャパンは今年の6月に開催された女子ワールドカップの決勝トーナメント1回戦で同国と対戦したが、1-2で破れている。結局オランダ女子代表はその勢いを保ったまま準優勝。決勝では米国の壁を破ることは出来なかったが、勢いに乗った時の強さを示した。さらに、オランダ女子代表は2018年2月28日に行われたアルガルベカップでもなでしこジャパンを破っており、その試合は6-2の圧勝だった。
同チームは近年力を付け始めたチームの一つ。攻撃的なサッカーを売りとしており、2017年のUEFA女子欧州選手権(女子EURO)で初優勝を遂げた。五輪の出場経験はなく、東京五輪が初めての出場となるが、メダル獲得は現実的な目標と捉えているだろう。
サッカーの母国イングランドもなでしこジャパンの脅威となる存在だ。2015年の女子ワールドカップ準決勝はなでしこジャパンが2-1と勝利をしたが、2019年のシービリーブスカップで0-3で破れ、同年の女子ワールドカップ・グループステージでも0-2で敗北をしている。オランダと同じく近年力を付けてきているチームだ。
そしてイングランド女子代表は東京五輪で“イギリス女子代表”として出場する。これまで母国開催となった2012年のロンドン五輪を除いてサッカー競技においてイギリス代表は編成されていなかったが、女子サッカーの活躍を受けて東京五輪では史上2度目の編成が決定した。ただし、これは女子のみの事例であり、男子では例年通りイギリス代表は出場資格を持たない。
なお、世界屈指の実力を持つドイツ女子代表とフランス女子代表は今年開催されたワールドカップの準々決勝で敗退し、五輪出場資格を得る同大会の欧州上位3カ国に入れなかったため予選落ちとなった。
ドイツとフランスが不在という状況は日本にとって追い風ともいえるが、そのドイツ代表を破ったのがスウェーデン女子代表だ。さらに同チームはワールドカップでドイツを倒しただけでなく、3位決定戦でイングランド代表に勝利をしている。スウェーデン女子代表は7大会連続7回目の出場と五輪の経験も豊富で、今大会のメダル有力候補に挙げられるだろう。
なでしこジャパンはE-1選手権を制したことで東京五輪での活躍が期待される。ライバルたちを退けてメダルを手に入れることが出来るだろうか。
【了】