ポルトに所属している日本代表MF中島翔哉【写真:Getty Images】
現地16日に行われたポルトガル1部リーグ第14節で、ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉はトンデラ戦に先発フル出場を果たした。
リーグ戦では7試合ぶりの先発起用、さらに加入後初のフル出場となった一戦で、中島は2つのゴールに絡む活躍を披露した。4-4-2の前線、セカンドトップ的な役割を与えられた背番号10は後半途中から左サイドでもプレー。10分の先制点、そして51分の3点目の起点となり、ポルトの3-0快勝に大きく貢献している。
このパフォーマンスには現地メディアも揃って賛辞を送った。ポルトガル紙『レコード』は5点満点の採点で、中島にチーム内最高タイとなる「4」を与えた。これは2得点を挙げたFWチキーニョ・ソアレスや、右サイドの2つのポジションで輝いたMFヘスス・コロナ、中盤を支配したMFオターヴィオと並ぶスコアだ。
同紙は2得点のソアレスを上回る長さの寸評で中島を「ポルトに加入して以来、最高のパフォーマンス。ソアレスの近くでプレーし、中盤でしばしばボールを引き出し、3点目の起点になったプレーのように攻撃に素晴らしいスピードを与えた。不注意がなければゴールも決めていただろう」と絶賛している。
中島は60分に味方との連動したプレスで相手GKのミスパスを拾い、至近距離からシュートを放ったがGKの好セーブに阻まれてポルトでの初ゴールはまたもお預けとなった。この決定機逸があっても、創造性あふれるプレーへの評価は揺るがない。
ポルトガル紙『オ・ジョーゴ』は10点満点の採点で、中島にチーム3位タイとなる「7」を与えた。寸評では「プレッシャーの最初のラインで足を止めることなく、パスを受けるために動き、先制点の場面でルイス・ディアスに展開したパスのタッチや、コロナからオターヴィオにボールが渡った3点目の場面のように決断も良かった」と攻守にわたる貢献度の高さを指摘する。
さらに「マークは厳しかったが、危険性と魔法は残っていた」と難しい状況で高い能力を発揮したことへの称賛もあった。もちろん60分の決定機を外した場面への言及もある。それでも終盤にDFアレックス・テレスとFWファビオ・シルバのチャンスを演出したサイドでのプレーも高く評価された。
『ア・ボラ』紙も10点満点の採点で中島にチーム最高タイの「7」をつけた。寸評でも他2紙に続き、2つのゴールに関与した場面と60分の決定機について触れ、そのうえで「彼はセルジオ・コンセイソン監督の自信に見合うプレーをした。監督はピッチ上での反応に満足していた」と称賛している。
中島にこれほどまで高い評価が大手各紙揃ったのは初めてだ。風向きが変わり始めたか。規律の中でファンタジーを発揮できる選手は貴重なだけに、年内に残された2試合でのパフォーマンスにも注目だ。
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