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韓国代表、日韓戦次第では監督解任も…? ブラジルに惨敗、アジアでも苦戦。今年最後に最悪の事態も【E-1サッカー選手権】

text by 編集部 photo by Getty Images

韓国代表
韓国代表【写真:Getty Images】

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【日本 5-0 香港 E-1サッカー選手権】

 日本代表は14日、EAFF E-1サッカー選手権・韓国大会の第2戦で香港代表と対戦している。

 中国戦から先発メンバーを全員入れ替えてこの試合に臨んだ森保ジャパンは、立ち上がりからボールを支配し、香港を押し込む。すると8分という早い時間にDF菅大輝が強烈なボレーシュートを叩き込み、日本が先制に成功する。そして、その後はFW小川航基のハットトリックなどもあり、大量5点を奪取。相手には決定機をほとんど作らせず、5-0で試合を制した。

 E-1サッカー選手権で連勝を飾った森保ジャパンは、2013年以来となる同大会の優勝へ向け、王手をかけることになった。なでしこジャパンもチャイニーズ・タイペイ(台湾)代表、中国代表から連勝を奪っており、史上初となる男女同時優勝への期待も高まっている。

 そんな日本代表が優勝を懸けて最終戦で激突するのが、ライバル・韓国代表である。アジアの虎も日本代表と同じく、FWソン・フンミンら欧州組の招集を行っておらず、Kリーグ、そしてJリーグで活躍する選手のみでのチーム構成となっているが、同大会3連覇を目指し全力でぶつかってくることは間違いない。森保ジャパンにとっては優勝へ向けての最大の関門となりそうだ。

 その韓国代表だが、2019年は苦悩の連続であった。

 ロシアワールドカップ後に就任したパウロ・ベント監督にとっての最初のビッグトーナメントとなったAFCアジアカップ2019では、グループリーグこそ3戦全勝を飾り、ベスト16でもバーレーン代表に勝利したものの、ベスト8で後のアジア王者になるカタール代表に0-1で敗北。それまで3大会連続でベスト4入りを果たしていた同国代表にとっては、思わぬ早期敗退となった。この結果には、韓国メディアも厳しい評価を与えていた。

 その後、韓国代表は親善試合でボリビア代表(1-0)、コロンビア代表(2-1)ら南米勢だけではなく、オーストラリア代表(1-0)やイラン代表(1-1)といったアジアの強豪との試合を重ね、チームの強化に取り組んだ。今年9月の親善試合ではジョージア代表(2-2)と自国ではなく、トルコのイスタンブールで対戦。慣れない環境でのゲームも経験してきた。親善試合での強化という意味では、強豪と多くの試合を重ね、ヨーロッパにも足を運び、慣れない環境でのゲームを行ったことから、日本代表よりも進んでいる印象が強かった。

 しかし、2022年カタールワールドカップ・アジア2次予選では思わぬ苦戦を強いられている。

 韓国代表は、初戦となったトルクメニスタン代表戦、第2節のスリランカ代表戦で連勝を飾るものの、第3節の北朝鮮代表戦、第4節のレバノン代表戦をまさかのドローで終えている。ソン・フンミン(トッテナム)、FWファン・ヒチャン(ザルツブルク)、FWファン・ウィジョ(ボルドー)ら攻撃陣に豊富なタレントを揃えながらも、ドローに終わった2試合では得点を奪うことすらできていない。現在は1試合少ないとはいえ、グループ2位に甘んじている。

 さらに、先月の国際親善試合ではUAEでブラジル代表と対戦しているが、MFフィリッペ・コウチーニョ、MFルーカス・パケタ、DFダニーロに得点を許すなど力の差を見せつけられ、0-3の完敗を喫している。

 そして韓国代表は、公式戦と親善試合を含め3試合未勝利という中でE-1サッカー選手権に臨んでいる。当然、メンバーは異なるとはいえ、調子が著しくないのは確かだと言える。初戦となった香港代表戦では相手の守備に手を焼き、得点はセットプレーからの2つのみ。2-0で勝利を収めたとはいえ、韓国メディアも厳しい見解を示していた。

 もちろん、日本代表もE-1の初戦は苦戦した。韓国も新しい選手を試していることは間違いなく、慣れない中でゲームを行っていたことは明らかだ。第2戦の相手は中国代表となるが、そこでも新しい選手を試し、最後の日本代表戦で今大会におけるベストメンバーをぶつけてくる可能性は高いだろう。

 しかし、今大会で3連覇を逃すと、パウロ・ベント監督の立場もいよいよ危うくなるかもしれない。日本でも森保監督の進退について話題になっているが、韓国の方が危機的状況にあるという見方もできなくはない。

【了】

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