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【日本 5-0 香港 E-1サッカー選手権第2節】
EAFF E-1サッカー選手権・韓国大会の第2節、日本代表対香港代表の試合が14日に行われた。デビュー戦となった小川航基のハットトリックもあり、日本が5-0の勝利を収めた。
試合が行われた釜山九徳スタジアムでは、異様な現象が起きた。試合前に両チームの選手がピッチに並び、両国の国歌が流れる。日本の『君が代』が先に流れ、続いて香港の番になると、会場は大きなブーイングに包まれた。
政治的な関係が不安定な国との対戦では、しばしば相手国歌へのブーイングが起こる。しかし、ブーイングは香港サポーターから発せられたものだった。
香港は「一国二制度」の下に独自の政治が認められているが、国家という意味では中国の一部と見なされる。香港代表の試合では中国国歌が流れるが、それがブーイングの原因となった。
かつてはイギリスの植民地だったこともあり、香港サッカーの歴史は深い。香港サッカー協会の設立は1914年と古く、1968年にはアジア初となるプロリーグを設立。AFCの事務局が置かれたこともあった。FIFA(国際サッカー連盟)、AFC(アジアサッカー協会)、そしてEAFF(東アジアサッカー連盟)にも加盟している。
香港政府は今年2月、犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを認める「逃亡犯条例」の改正案を提出。すると、これに反対する香港市民による抗議活動が勃発した。各地で抗議デモが起こり、暴徒化した集団は警察と衝突。多くの死傷者や逮捕者を出している。
その後、改正案は撤回されたものの、抗議活動は未だ沈静化する気配が見られない。そんな状況下で行われた今大会で、香港サポーターは中国国歌に対してブーイングで応じた。
香港代表は9月10日、FIFAワールドカップ・アジア2次予選でイラン代表とホームで対戦している。この試合でも試合前に流れた中国国歌にブーイングする一方で、『香港に栄光あれ(英題:Glory to Hong Kong)』の大合唱が起こった。この曲は今夏にインターネット上で発表された。テーマソングのように扱われ、デモ活動などで歌われているようだ。
0-2で敗れた韓国戦に続き、2連敗となった香港。18日に行われる最終戦の相手は中国だ。両チームともに中国国歌が流れることになりそうだが、会場に詰め掛けた両国のサポーターはどのような反応をするのだろうか。
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