日本代表初選出ながらハットトリックを決めたFW小川航基【写真:Getty Images】
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【日本 5-0 香港 E-1 サッカー選手権第1節】
EAFF E-1サッカー選手権・韓国大会の第2節、日本対香港の一戦が14日に行われ、日本が5-0で勝利を収めた。この試合は10日に行われた中国戦からメンバーを全員入れ替えて臨んだ。そしてこの日最も輝いたのは、代表デビューながらハットトリックを決めた東京五輪世代のFW小川航基だ。
小川は桐光学園高校を卒業後、2016年にジュビロ磐田に入団。リーグ戦初出場は2017年3月18日に行われたヴィッセル神戸戦で、リーグ戦初ゴールは2018年11月3日のサンフレッチェ広島戦で記録をした。そして今シーズンの7月に育成型期限付き移籍で現在所属している水戸ホーリホックへと移籍をした。
また年代別の代表でも存在感を示しており、2017年のU-20ワールドカップで初戦の南アフリカ戦でゴールを決め、今年の6月のU-22日本代表にも招集され、トゥーロン国際大会2019決勝のU-22ブラジル戦で同点ゴールを記録した。
しかし、決して順風満帆なプロ生活を送っているわけではない。前述したU-20ワールドカップ の第2戦目、ウルグアイ代表との一戦で左膝前十字靭帯断裂および半月板損傷の大怪我を負ってしまう。それでもその試練を乗り越えて、今では東京五輪の候補として注目される選手の1人にまで成長をした。
小川は身長186cmという恵まれた体型を活かしたプレーを得意としている。また高さがある選手に見られがちなスピードの遅さを感じさせないのも強み。DFの裏を取る動きは目を張るものがある。足元の技術も兼ね備えており、自らドリブルで持ち込んでシュートを打つことも出来る。リーグの1試合平均シュート本数は3.2本で積極性も兼備。高さもあり足元の技術もある選手は、日本が欲しかったタイプのストライカーと言っていいだろう。
五輪世代のCF争いは小川航基を含めてFW前田大然とFW上田綺世らが熾烈な争いを繰り広げている。しかし小川の長身はこの2選手には無い「武器」だ。欧州や南米の選手と比べると高さで劣る日本人にとって、この高さは貴重だ。夢の五輪へ向けて、この日決めたハットトリックは間違いなく森保一監督の印象に残っただろう。これからのこの男から目が離せない。
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