日本代表のDF佐々木翔【写真:Getty Images】
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日本代表は12日、EAFF E-1サッカー選手権2019決勝大会の香港代表戦に向けた練習を行った。
10日の中国代表戦でDF佐々木翔はキャプテンマークを巻き、3バックの左ストッパーとして先発出場した。相手との1対1で後手を踏む場面こそあったものの、攻撃陣をサポートする配球役としてはさすがの仕事ぶりで前線の若いアタッカー陣を動かした。
左ウィングバックで日本代表デビューを飾ったMF遠藤渓太は「自分が守備の時にどこに下がったらいいかとかを教えてくれた」佐々木に対して、「翔くんがああやってやりやすく声をかけながらやってくれてたのも自分にとってはプラスに働いた」と証言する。
また、3-4-2-1の2シャドーの左で起用されたMF森島司も、サンフレッチェ広島の先輩である佐々木について「すごく相手がやりにくさを感じるプレーとかをやってくれるので、あまり目立たないかもしれないですけど、僕とか渓太は翔くんのおかげですごくやりやすかった」と感謝を述べていた。
森保ジャパン発足時から、指揮官のスタイルを熟知する伝道師としての役割も期待されているであろう佐々木は、若い力が揃う前線のポテンシャルを最大限に引き出すため後方支援に徹する心づもりでいる。
「森島のポジションに(中国の)ボランチが結構ピッタリついてたので、僕のところから直接入れる回数はあまり多くなかったですけど、そこがありきで(遠藤)渓太を使いながら、もう少しFWやボランチのところから横パスを入れるような形を、僕らがサイドで作ってあげればよかったです。相手も非常にハードワークして、あそこ(森島へのパスコース)を隠してきていたので。
でもチームとして(ボールを)保持する時間が長かったり、相手を揺さぶる場面では非常によくできていたと思います。前に急ぐばかりではなく、その必要性は場面によって考えるべきだと思うので、僕らとしては前の選手がパワーをよく使えるように、ゴールへ向かえるように、よりいい状況だったり、相手を引き出しながらプレーをする、それを常に考えながらまたやっていきたいと思います」(佐々木)
相手が前から激しくプレッシャーをかけてくるか、自陣に引いてくるかに関わらず、攻撃の場面では佐々木のような3バックの左右に入る選手のポジショニングや、そこからの球出しの質が重要になる。組み立てで相手を圧倒するには、経験をもとに様々な組み立て方を選択肢に持つバランスのとれた選手が必要だ。
「僕としては後ろの選手なので、前の選手のプレーを出すために自分がどう後ろから支えて支援していくのか、プレーしやすいようにやらせてあげるかはどんどん考えて、変化させていけたら、よりいい攻撃ができると思う。やっぱり前の選手は力があるので、それを生かせるように僕らが意識してプレーできればなと思います」(佐々木)
(取材:元川悦子【釜山】、文・構成:編集部)
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