「彼は“失敗のスペシャリスト”」(2014年2月)
なかなかタイトルを取れないアーセナルに、モウリーニョが発した言葉は…【写真:Getty Images】
モウリーニョがレアル・マドリーを退任しチェルシーでの第2次政権を始めた13/14シーズンのコメントだ。ことの発端はヴェンゲル監督のポルトガル人監督に対するコメントである。
当時のチェルシーは2位のアーセナルと1ポイント差で首位に立っていた。しかしフェルナンド・トーレスら、ストライカー陣が結果を残せず得点力に課題を残すチームをモウリーニョ監督は「今のチームはタイトルを勝ち取れる力はない」と評していた。その姿に対してヴェンゲルが「モウリーニョの弱気な発言は、失敗を恐れているだけだ」と言い放ったのだ。
この発言に触発されたモウリーニョが語ったのが“失敗のスペシャリスト”発言だ。記者がヴェンゲルの発言の感想を求めると、フランス人監督に率いられたガナーズが2005年のFAカップ以降タイトルから遠ざかっていたことに言及して、モウリーニョは皮肉たっぷりに答えた。
「わかると思うが、彼は失敗のスペシャリストだ」
「たしかにヴェンゲルは正しいかもしれない。私は失敗することが少なかったから、失敗には慣れていないね。でも忘れちゃいけないのが、アーセナルは8年間タイトルを取ってない。それこそ失敗だろう」
「もし私がチェルシーで8年間も無冠であれば、すぐにクラブを去って二度と戻ってこないよ」
一連の発言をする中でモウリーニョの顔には一切笑顔がなかった。彼の大きなプライドとヴェンゲル監督とのライバル心がうかがい知れる。