中国戦で先制ゴールを挙げた日本代表のFW鈴木武蔵【写真:田中伸弥】
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【日本 2-1 中国 E-1サッカー選手権第1節】
日本代表は10日、EAFF E-1サッカー選手権2019決勝大会の初戦で中国代表に2-1の勝利を収めた。
先発出場したFW鈴木武蔵は29分、MF森島司のアシストから日本代表初ゴールとなる先制点を挙げた。出場6試合目で生まれた待望の一発だった。
しかし、満足することはない。「個人のレベルはまだまだ足りないので、もっともっとそこを上げて、チームが苦しい時でも点が取れるFWになっていかないといけない」と鈴木は気を引き締める。
中国戦のゴールはまさに「苦しい時」に生まれた。ほとんど準備期間なく臨んだこともあり、3-4-2-1の布陣がなかなか噛み合わず、中国の積極的なプレッシングにも苦しんだ。鈴木はチームを引っ張るリーダーとしての自覚にも後押しされ、結果を残すという強い気持ちが先制ゴールをもたらした。
「合宿初日でも森保さんに『プレーでも引っ張っていってほしい』と言われたので、そこはやっぱり自覚もありますし、もう若くはないので、自分が、1人ひとりがチームの中心という気持ちでやっていかないといけない」
ピッチ内外で積極的に周りの選手とコミュニケーションを取り、ゴールを奪って勝つために、自分が持っている経験や知識もチームに共有した。「相手に走り勝つことだけを考えて」ニアサイドに飛び込んだことで、ゴールも決めることができた。
「今日、結果を出せて本当によかったですけど、1点ではまだまだ足りないし、残り2試合で本当に取れるだけ点を取って、さらにアピールできるようにしていきたい」
今回は国内組のみで構成されている日本代表だが、本来の中心メンバーは海外組だ。その激しい競争に生き残っていくために、結果を出し続けなければならない。特にE-1サッカー選手権では他を圧倒するような活躍を見せる必要があるだろう。25歳になった鈴木は危機感や決意を胸に突き進む。
(取材:元川悦子【釜山】、文・構成:編集部)
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