日本代表デビューでアシストを記録したMF森島司【写真:田中伸弥】
【E-1選手権テレビ放送予定はこちら】
日本代表は10日、EAFF E-1サッカー選手権2019決勝大会の初戦で中国代表に2-1の勝利を収めた。
勝利の立役者となったのは日本代表デビューとなった22歳のMF森島司だ。29分、DF佐々木翔の縦パスをFW上田綺世がヒールパスで右に流し、それを受けた森島がペナルティエリア内に侵入。絶妙なラストパスでFW鈴木武蔵の先制ゴールをアシストした。
他の場面でも左ウィングバックのMF遠藤渓太や上田らとの連係が光り、攻撃のスイッチ役として絶大な存在感を発揮。日本代表初キャップながら、3バックを採用した急造チームの中でまばゆい輝きを放った。
「いいポジションに立ち続けて、相手の嫌なことをするのと、(遠藤)渓太に(パスを)入れる中継役だったり、今日は入れられなかったですけど、(上田)綺世に(パスを入れる中継役をやろうとしていて、わりかしできたと思います」
試合後、森島本人は控えめに振り返ったが、相手の守備組織の穴になるようなスペースを見つけ、パスを引き出しやすいポジションに立ち、ボールを前進させる役割を十分に果たせていた。22歳の代表デビューとしては上々だろう。
アシストの場面でも「相手も前から来てましたし、(佐々木)翔くんからいい縦パスが入って、スペースが空いていた。(上田)綺世からいい落としが来た」。そして「あのタイミングで出すのは自分のチームで共有していたところで、そういう意識で出したら(鈴木)武蔵くんがいてくれた」。日頃から積み重ねてきた経験が、日本代表でも生かされた。
プロ1年目からサンフレッチェ広島で指導を受けていた森保一監督のやり方、3バックにおける自身のポジションの役割も体の染みついていた。さらに城福浩監督からの学びで自らをアップデートし、結果に反映して見せた。「普段Jリーグの強いチームとやっていて、(試合に)出させてもらっているので、それがいいかなと思います」と成長を実感している。
正しいポジションに立ち、空いたスペースをいち早く見つけて狙い、広島でのプレーを意識してプレーした。「もうちょっとゴールに向かうプレーだったり、もうちょっとチームとしてボール握るのが大前提ですけど、自分のタッチ数も増やしたい」と、課題も見つけている。
東京五輪世代でも決して目立つタレントではなかった森島は、より高いレベルを経験することで、さらに一皮剥けようとしている。14日の香港代表戦、そして18日の韓国代表戦でのさらなる活躍に期待は高まるばかりだ。
(取材:元川悦子【釜山】、文・構成:編集部)
【了】