日本代表初招集を受けたMF田中碧【写真:Getty Images】
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【EAFF E-1サッカー選手権】
日本代表は9日、EAFF E-1サッカー選手権2019決勝大会の初戦・中国代表戦に向けた前日練習を行った。
今回の日本代表に海外組はおらず、Jリーグクラブ所属選手のみで構成されている。初招集の選手も多い中で、東京五輪世代のU-22日本代表からA代表に引き上げられた選手もいる。川崎フロンターレのMF田中碧がその1人だ。
攻守にハードワークできるうえ、フロンターレ出身らしくテクニックに優れ、パスセンスやプレービジョンも備える。急成長を遂げた生え抜きMFは、今季のJリーグでベストヤングプレーヤー賞にも輝いた。
そして、日本代表初招集。飛躍を遂げた1年の最後に、未知の領域へチャレンジする機会を得た。
「アピールしなくちゃいけないですけど、ただ自分の中ではここだけでいいプレーをしても自分のこれからのサッカー人生には意味がないと思います。いいプレーをしようが、悪いプレーをしようが、これかた自分が成長していくにあたって何かキッカケを掴むことができればいいかなと。
もちろんチームとしては結果を残したいですし、個人としても結果は残したいですけど、一番大事なものを見失わずに自分がここで何を得られるのか、毎試合毎試合強い相手に試しながらやっていければいいかなと思います」
E-1サッカー選手権の初戦・中国戦は10日に控えており、日本代表がチーム全体で揃って練習できたのは9日の一度だけ。初招集の田中のような選手にとって森保ジャパンの戦術を理解して適応していくには間違いなく時間が足りない。それでもチャンスが来れば、与えられた戦術を遂行していかなければ勝利が遠ざかってしまう。
3大会ぶりの優勝を目指す日本代表の一員として、どんな覚悟を持ってプレーすべきか。田中のはまず、「100%」でプレーすることしか考えていない。
「チームどうこうと言うよりは、個人個人がしっかり自分が持っている力を出せれば、間違いなく(他の国に)対抗できると思う。そういう部分で言えば、自分の力を100%出すことがチームのためになると思うので、そこはしっかり準備してやれればいいと思います」
田中はボランチのポジションから攻撃を組み立て、守備では中盤の防波堤となる。いわばチームの心臓となる役割だ。「勝つために、攻守においてどうやってチームを動かすかが大事」と考える21歳は、「自分がボールを触ってプレーすることもそうですし、触らなくてもチームの流れをよくしていかないといけない」と自分に課された重責を理解している。
初めて一緒にプレーする選手たちの特徴やキャラクターは、大会を戦いながら把握していくしかない。短期間ではあるが、「チームとしてどういうものを目指すべきなのか、自分の中で組み立てていければいい」と落ち着き払った田中は、森保ジャパンの一員として誇りを持ってプレーする自分の姿をしっかりと思い描いている。
(取材:元川悦子【釜山】、文・構成:編集部)
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