ベンフィカ所属のGK小久保玲央ブライアンがU-22日本代表に初選出【写真:舩木渉】
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日本サッカー協会は4日、今月末28日に行われるキリンチャレンジカップ2019のU-22ジャマイカ代表戦に向けたU-22日本代表メンバーを発表した。
欧州リーグ中断期間中の開催となるため、メンバーの中には海外組が5人含まれた。その中で注目は、ポルトガルの名門ベンフィカに所属する18歳のGK小久保玲央ブライアンだ。
U-22日本代表初選出となった小久保は、ベンフィカのCチームにあたるU-23を主戦場に経験を積み重ねている。3日に行われたリザーブリーグのフェイレンセU-23戦ではPKを止める活躍でベンフィカの4-0快勝に大きく貢献した。
その試合後、18歳の若き守護神は「東京五輪に出て、もっとビッグな選手になって、A代表、そしてベンフィカのトップチームで出るのが自分の夢です」と語っていた。
これまではU-18日本代表での活動がメインだったが、今回のキリンチャレンジカップ出場メンバーに選ばれたことで東京五輪に向けたU-22日本代表での競争にも加わることになる。
今月10日に開幕するEAFF E-1サッカー選手権にA代表として参加するサンフレッチェ広島のGK大迫敬介や大分トリニータのGK小島亨介、さらにはU-22日本代表に選ばれているガンバ大阪のGK谷晃生、スペイン2部エストレマドゥーラでリーグ戦デビューも果たしたGK山口瑠伊が当面のライバルということになりそうだ。
小久保は柏レイソルからベンフィカに移籍してもうすぐ1年になる。欧州トップクラスのタレントが揃う環境で様々なことを学びながら、「ちょっとずつ安定してきて、逞しくなってきているというのは自分の中である」と成長への確かな手応えを感じているところだ。
「日本でも多少言われていたものが、(ベンフィカでは)さらに要求されているなというのがあって。『ボールにアタックしろ、前に踏み出せ』ということ、そこと『とにかくキャッチをしろ、ボールをこぼすな』ということは日本より強く言われます。そこでキャッチできたら安定してきて、それが色々なところにつながってくるのかなと思います」
ベンフィカU-23では他のGKと比較して最も多くの試合に出場し、9試合で6勝3分と負けが1つもない。目標とする東京五輪出場に向けても「(自分より下の世代に)いい選手がすごくいたり、もしかしたら今すでに越されているんじゃないかとか、いろいろあるんですけど、まずは自分がやるべきことを明日の練習からやるだけ」と、先を急ぐのではなく地に足をつけて一歩ずつ前に進むことの重要性を理解している。
U-22日本代表は来年1月にAFC U-23選手権に挑む。東京五輪の予選を兼ねている世代別代表のアジアNo.1を決める戦いの舞台に、小久保は立つことができるか。まずは長崎でのU-22ジャマイカ代表戦でベンフィカでの成長を証明できるかが鍵になる。
(取材・文:舩木渉【ポルトガル】)
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