首の皮一枚つながった磐田、白星を取りこぼした湘南
J1参入プレーオフに出場する16位の可能性があるクラブは、ベガルタ仙台以下8つ。ガンバ大阪とヴィッセル神戸は前節で勝利を掴み、J1残留を確定させている。
名古屋グランパスとサガン鳥栖の直接対決はドローに終わり、清水エスパルスも大分トリニータに引き分け。降格圏のわずか上にいる5クラブはいずれも勝利を掴むことができなかった。
降格の可能性がある8クラブの中で唯一の白星を手にしたのは最下位のジュビロ磐田。結果次第では降格が決まる北海道コンサドーレ札幌との一戦で、26分に先制に成功。しかし、88分にセットプレーから同点弾を許してしまう。万事休すかと思われたが、後半アディショナルタイムに荒木大吾がPA内で倒されてPKを獲得。自らこれを決め、磐田は残留へ首の皮一枚つながった。
16位・湘南ベルマーレも劇的な試合展開となった。首位・FC東京を相手に苦戦が予想されたが、ひるむことなく互角の勝負を演じた。すると36分、敵陣でボールを奪うと、山田直輝が逆サイドに鋭いパスを送る。これを受けた松田天馬が左足でシュートを放つと、森重真人の足に当たったボールはゴールネットへと吸い込まれた。
湘南が8月11日以来となる勝利を手にするかに思われたが、FC東京は試合終盤にパワープレーに出る。ロングボールを湘南ははじき返すが、こぼれ球にCB森重真人が反応してダイレクトでシュート。アウト回転がかかったボールはポストに当たりながらゴールに収まった。湘南は土壇場で勝利を手放し、勝ち点1のみを持ち帰ることになった。
湘南同様、優勝を争うチームとの対戦となった松本山雅だったが、早々に横浜F・マリノスに先制点を献上。スコアはそのまま動くことなく終わり、16位・湘南との勝ち点差を2ポイントに広げた。
最大で5クラブの残留が決まる
残り2試合を残すのみとなったJ1リーグの残留争いは、このような状況になっている。
11位:ベガルタ仙台(勝ち点38、総得点-8)
12位:名古屋グランパス(勝ち点37、総得点-3)
13位:浦和レッズ(勝ち点36、総得点-15)
14位:サガン鳥栖(勝ち点36、総得点-18)
15位:清水エスパルス(勝ち点36、総得点-24)
16位:湘南ベルマーレ(勝ち点32、総得点-24)
17位:松本山雅(勝ち点30、総得点-16)
18位:ジュビロ磐田(勝ち点28、総得点-20)
この中で、今節予定されている直接対決は磐田対名古屋のみ。得失点差で大きく湘南を上回る名古屋は、引き分け以上で実質的に残留が決まる。磐田は勝利が必須条件だが、湘南が勝てば降格が確定する。尻に火が付いた磐田は直近6戦で3勝2敗1分と調子は上向いているだけに、勝利を掴みたいところだ。
戦線に大きく影響を与えそうな湘南は、ホームでサンフレッチェ広島と対戦する。6月の同カードでは0-2で敗れているが、広島は直近3試合で勝利がない。湘南も10試合白星から遠ざかっているが、ここ2戦は上位陣相手に好ゲームを演じているだけに、何としてでも白星を掴みたいところだ。
松本山雅はアウェイでガンバ大阪と対戦する。松本山雅は2試合連続無得点、8試合連続で複数得点がなく、得点力不足に苦しんでいる。ただ、先制した試合では5勝4分と無敗を継続しているので、先制点を奪えるかどうかに注目したい。
仙台は引き分け以上で、名古屋、浦和、鳥栖、清水も勝利で残留が確定するが、浦和と清水はここのところ白星から遠ざかっている。浦和はAFCチャンピオンズリーグ決勝敗退の後だけに、その雰囲気を払拭することができるかどうかがカギを握るだろう。
※初回配信時に内容に誤りがありました。「磐田は勝利が必須条件だが、湘南か松本が勝てば降格が確定する」とありましたが、正しくは「磐田は勝利が必須条件だが、湘南が勝てば降格が確定する」になります。訂正してお詫び致します。
(文:編集部)
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