鹿島は手痛い敗北で首位陥落
優勝争いは3チームに絞られたと言っていいだろう。FC東京、横浜F・マリノス、鹿島アントラーズは、揃って第30節で勝ち点3の奪取に成功したが、続く第31節では明暗が分かれることになった。
第30節終了時点で首位を走る鹿島は、川崎フロンターレと対戦。チームの要、MF三竿健斗を欠く鹿島は、過密日程を強いられた川崎を相手にチャンスを作るが、前半はスコアレスで折り返した。
後半も鹿島がペースを握る展開だったが、62分に自陣でFKを与えると、川崎Fは家長昭博のキックを山村和也が頭で合わせて先制。71分にはカウンターから最後は長谷川竜也が押し込んで2点目。鹿島は手痛い敗北を喫した。
得失点差で鹿島の後塵に配していたFC東京は、最下位・ジュビロ磐田と対戦。DF渡辺剛が接触プレーによる負傷交代というアクシデントに見舞われた試合で、DF室屋成が倒されて獲得したPKをFWディエゴ・オリヴェイラが決める。FC東京はこれを守り切り、首位に返り咲いた。
2チームを勝ち点1差で追っていた横浜FMは、北海道コンサドーレ札幌と対戦。開始早々にFWエリキの2ゴールでリードを奪うと、2試合ぶりにスタメン復帰した仲川輝人、得点ランキングトップのFWマルコス・ジュニオールがゴールを決めて4-2で勝利。リーグ戦の連勝を4に伸ばした。
FC東京は9戦ぶりのホームゲーム
首位・鹿島が敗れたことで、勝ち点62のFC東京が首位に浮上。1ポイント差で横浜FMが追い、鹿島が順位を2つ落とした。
最終節にFC東京と横浜FMの直接対決が残されているため、優勝チームの勝ち点は最低でも63となる。セレッソ大阪とサンフレッチェ広島は残り3試合に勝っても勝ち点63には届かず、川崎Fは全勝で勝ち点63に届くのがやっと。優勝争いは事実上、3チームに絞られたと言っていいだろう。
ここからは“絶対に負けられない戦い”である。
3位・鹿島は難敵・広島と敵地で戦う。スタイルこそ違えど、両チームは1試合平均の失点が1を切る堅守を誇る。終盤戦の戦いも相まって、1点の重みが大きな試合になるだろう。
2位・横浜FMはアウェイに乗り込んで、松本山雅と対戦する。直近4戦すべてで複数得点を挙げている横浜FMに対して、松本山雅は17位ながら5試合連続で複数得点を許していない。トリコロールの攻撃陣が緑の壁をいかに崩せるか、という対決の構図になるだろう。
首位・FC東京は味の素スタジアムに湘南ベルマーレを迎える。チーム内の問題に揺れた湘南は約3ヶ月に渡って白星から見放されている。FC東京は前節でオリヴェイラが6戦ぶりの得点を挙げ、8戦続いたアウェイの旅が終わった。今季は勝率80%と圧倒的な数字を誇るホームで、首位をがっちりキープしたいところだ。
直接対決が残されたFC東京と横浜FMは3連勝すれば優勝できる。鹿島も3連勝すれば、最終節のFC東京対横浜FMの結果次第で優勝の可能性は十分にある。どのチームも、優勝するためには勝ち続けるしかない。
(文:編集部)
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