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原口元気、直接FK弾は「練習してなかったら蹴れない」。「メラメラ」を原動力に躍動

text by 編集部 photo by Getty Images

原口元気
日本代表MF原口元気【写真:Getty Images】

 2022年カタールワールドカップのアジア2次予選・キルギス戦が14日に行われ、アウェイに乗り込んだ日本代表はキルギス代表に2-0で勝利を収めた。

 これまで不動の存在だった10番のMF中島翔哉を抑え、左サイドでスタメンに抜てきされたのはMF原口元気だった。ロシアワールドカップも経験したハードワーカーは、改めてチームにとって重要なピースであることを自らの足で証明して見せた。

 日本の1点リードで迎えた後半の53分、ペナルティエリア手前中央で得たフリーキックの場面でキッカーに立ったのは原口。昨年11月のキルギス戦でも直接フリーキックを決めていた背番号8は、右足でGKの手前でバウンドさせる鋭いボールをゴールネットに突き刺した。

 昨年のフリーキックは相手GKのミスも重なり「納得のいくゴールではなかった」という原口は、「今回はいいボールが蹴れた」と自分でもしっかりとゴールを実感できた様子。結果的に彼のゴールが日本の勝利を大きく引き寄せることになった。

「(フリーキックの)練習はずっとしていたんで。昨日の前日練習では全然いいボールがいっていなかったんだけど、なんか蹴る時は入る気しなかった。練習していなかったら蹴れないし、練習しているから、あそこのコースに対して自信があったので、まあやっていてよかったです。結構チーム(ハノーファー)で(フリーキック練習を)やっていると、『入んねえんだからやめろよ』とか茶化されるけど、こういうところで決めるというのは、(練習を)やっていたからこそだと思う」

 まさに日々積み重ねてきた練習の成果が、2次予選の山場となる試合、しかも久しぶりに得意とする左サイドのポジションで先発起用されたチャンスに実った。原口は「久しぶりに緊張じゃないけど、ちょっとメラメラしているところがあった。そういう部分では1つ結果が出て、ここからもう1回ポジション争いに臨んでいけるなという気持ちなったし、僕にとって大事な1点だったと思います」と確かな手応えを語った。

 今の日本代表には際立ったフリーキックの使い手がおらず、中島や堂安などがキッカーを務めることが多い。原口は持ち前のハードワークや攻撃面での突破力に加え、フリーキックも新たな武器として今後のポジション争いに挑む。

「チーム(ハノーファー)でも蹴れると思うし、代表でももちろんチャンスがあればまた蹴って、もう1本、2本決まりだしたらちゃんと武器になると思う。練習だけはしっかりやりながら続けたいなと思います」

 前向きな成果が少なかった一戦だった。そんな中でも、アウェイでの勝ち点3とともにチャンスを結果に結びつけた原口の反骨心が、日本代表の競争に強烈な刺激を与えることになるかもしれない。

(取材:元川悦子【ビシュケク】、文・構成:編集部)

【了】

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