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Jリーグ 5年前

マリノスFWマルコス・ジュニオールは、なぜ“クリリン”と呼ばれるのか。運命に導かれた男の秘話【インタビュー・前編】

“横浜のクリリン”ことマルコス・ジュニオールは瞬く間にJリーグに順応し、横浜界隈ではカルト的な人気を誇る。ただ、左腕に光るクリリンのポップなタトゥーとは裏腹に、なかなかどうしてコクのある人生を辿ってきた。“地球人最強の男”が横浜に降り立つまでの濃密な物語を振り返った、11/6発売の「フットボール批評issue26」のマルコス・ジュニオール選手のインタビューから一部を抜粋して前後編で先行公開する。今回は前編。(取材・文:舩木渉)

text by 舩木渉 photo by Raita Yamamoto

「クリリンのタトゥーを入れたら、日本に行くことになった」

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横浜F・マリノスのFWマルコス・ジュニオール【写真:山本雷太】

 マルコスといえば、ゴールを決めたあとに見せるパフォーマンスもお馴染みになった。人気漫画『ドラゴンボール』に出てくるクリリンに似ているとF・マリノス入団前から評判で、ブラジル時代から続けている「かめはめ波」だけでなく、様々な技をゴールを決めるたびにチームメイトと一緒になって披露する。

 彼が「クリリン」と呼ばれるようになったのはしばらく前のことだったが、実は「かめはめ波」のゴールパフォーマンスをやるようになったのは最近のことだという。そういう意味で、マルコスにとってF・マリノスへの移籍は運命的なものでもあった。

「2015年頃からサポーターの人たちが、フルミネンセのホームスタジアムで『ラランジェイラのクリリン』という愛称で呼んでくれていたのは知っていたんだけど、当時はあまり気にしていなかった。

 でも昨年、僕の友人が『クリリンと呼ばれているのなら、ゴールを決めた後にパフォーマンスで「かめはめ波」をやったら面白いんじゃないか』と提案してくれて、それでやってみようと思ったんだ。そして次の試合、フラメンゴとのダービーマッチで2点決めて、そのときに『かめはめ波』をやってみた。

 そのときからみんなが『クリリン』と呼んでくれるようになって、年末に左腕にクリリンのタトゥーを入れたら、日本に行くことになった。ドラゴンボールは日本の漫画だし、日本に移籍することになったのは運命的だなと思ったよ」

(取材・文:舩木渉)

マルコス・ジュニオール

1993年生まれ、ブラジリア連邦直轄区ガマ出身。フルミネンセユースを経て、2012 年にフルミネンセのトップチームに昇格し、プロデビュー。2019年に横浜F・マリノスへ移籍し、トップ下のレギュラーに定着。2019 年シーズンはリーグ戦13得点( 2019 年10月3日現在)をマークし、得点王争いのトップタイに君臨している。

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Jリーグウォッチャーであれば現在、横浜F・マリノスが快楽的なフットボールを求道しているのはお分かりであろう。では、“面白いフットボール”を披露する境地とはいったい何なのか? 選手、コーチの目線を通して“ポステコ病”の全貌に迫る。

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【了】

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