トルコ代表【写真:Getty Images】
トルコ代表の選手らが、同国政府の軍事行動を支持する姿勢を示していることが大きな波紋を引き起こしている。イスタンブールで開催される今季チャンピオンズリーグ(CL)決勝の開催を剥奪すべきだとの声も上がり始めた。伊紙『ラ・レプッブリカ』、英『BBC』など各国メディアが伝えている。
トルコ軍は今月9日に隣国シリアとの国境を越え、クルド人勢力に対する軍事作戦を開始。国際的に強い非難の対象となっているこの動きは、サッカー界にも影響を及ぼしている。
6日に行われたEURO2020予選のトルコ対アルバニア戦では、トルコの選手たちが軍隊式の敬礼で勝利を祝った。トルコサッカー連盟もその様子の写真をSNS投稿するなど、政府を支持する姿勢を明確化。続いて14日に行われたフランス戦でも、トルコの選手たちは得点後に同様の敬礼ポーズを取った。
軍事行動自体への非難に加え、サッカーの試合において政治的主張を行うことは禁じられており、これらの動きは各国ファンやメディアから問題視されている。欧州サッカー連盟(UEFA)のフィリップ・タウンゼント広報部長は、「挑発に見える可能性がある」として、UEFAが「状況を調査する」とイタリア『ANSA通信』に語った。
来年5月にはCL決勝がイスタンブールで開催されるが、SNS上ではその開催剥奪を求めるキャンペーンも広がっているという。伊紙『ラ・レプッブリカ』は、イタリアのヴィンチェンツォ・スパダフォーラスポーツ大臣がトルコでのCL決勝開催を疑問視する手紙を欧州サッカー連盟(UEFA)に送付したとも伝えている。
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