日本代表のMF板倉滉【写真:Getty Images】
日本代表は12日、タジキスタンの首都ドゥシャンベで初の練習を行なった。15日には2022年カタールワールドカップのアジア2次予選でタジキスタン代表と対戦する。
コパ・アメリカでA代表初招集となったMF板倉滉は、日本代表定着への道のりを歩んでいるところだ。9月にはホームでの親善試合の後、ミャンマーに遠征して欧州に戻り、中2日でオランダリーグの試合に出場する強行スケジュールも経験した。
そして、そういった厳しい状況も乗り越えてオランダ1部のフローニンゲンで試合に出続けることで、再び日本代表招集を勝ち取ることができた。今後も毎月のようにアジアと欧州を行き来する日々が続くかもしれないが、現時点ではその環境にも耐えられると証明できているとも言える。
「いない間でチームはいろいろ動いているわけで、その中でもこうやって代表に来て、帰ってまた試合に出続けることはすごく大事だと思う。ここに呼んでもらって、帰って試合に出ていなかったら次の代表にまた呼んでもらえない流れになると思うので、シンプルですけど、今はここに集中して、帰ったら帰ったでチームの方にフォーカスしてしっかりやりたいなと思います」
A代表のために欧州とアジアを往復するのは初めてだったが、板倉は自分なりに食事やストレッチなどに意識的に取り組むことによって、良好なコンディションを維持するよう努めている。そういった小さな積み重ねが日本代表でチャンスを掴むことにつながり、ゆくゆくは定着していくための重要な礎になっていくだろう。
「もちろん長い時間のフライトだったり、そういった部分で疲労は溜まると思いますけど、でも試合になったらそれは関係ないこと。やっぱり日本を背負って戦う以上、負けていい試合はないと思う。もちろんもっともっと慣れていく必要はあると思いますけど、そこは言い訳にせずやっていければなと思っています」
そして日本代表定着のために不可欠なのは、プレーの安定感。板倉自身も「毎試合波があるようだと、監督もなかなか使いづらいと思うので、そこは意識してやっています」と語る。今回のタジキスタン戦はDF冨安健洋が負傷離脱したこともあり、センターバックもボランチもこなせる板倉にとっては「とにかくチャンスが来た時にどれだけ自分をしっかりアピールできるか」という大きなチャンスだ。
「自分でも(センターバックかボランチの)どっちでチャンスが来るかはわからないですし、ただ急にチャンスが来た時に、どれだけ落ち着いて、いつも通りできるのかが大事だと思うし、とにかく周りをよくみて、周りの状況を把握して、落ち着いて自分のプレーができれば全然やれる自信もあるし、まずはうまく自分のリズムを取れるようにやれればなと思います」
タジキスタンで日本代表における立場を確立できるか。現状を前向きに変えていくには、毎試合に勝ち負け以上の大事な意味を感じながら臨まなければならないだろう。
(取材・文:舩木渉【タジキスタン】)
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