日本代表のGKシュミット・ダニエル【写真:Getty Images】
日本代表は10日にカタールワールドカップのアジア2次予選でモンゴル代表と対戦する。
GKという1つしかないポジションをめぐる争いは横一線だ。9月は2試合とも権田修一が出場したが、ベテランの川島永嗣や、唯一欧州クラブでレギュラーを張るシュミット・ダニエルも虎視眈々とチャンスをうかがう。
9日の練習後に取材に応じたシュミットは「常に(僕と)僕以外の2人(川島と権田)だけじゃないし、Jリーグで(試合に)出ているGKのみなさんも自分より全然試合数をこなしているし、全然スキルも高いと思ってる」と、激しさを増す競争に気を引き締めていた。
「今回はゴンちゃん(権田)と(川島)永嗣さんだけど、その2人からしっかりスキルを盗んでチーム(ポルティモネンセ)でGKコーチと相談しながら『(日本代表は)こういう感じだった』というのを意見して、いいところをしっかり盗んで自分を上げていければ、代表に来ている意味もあると思うし、競争の意味もある」
より質の高い「こういう感じ」を持ち帰るには、やはり試合に出ること。そのチャンスはまず10日のモンゴル戦でやってくる。先月のミャンマー戦同様に引いた相手をどう攻略するかがテーマになりそうだが、GKとしてチームが前かがりになる中でも常にリスク管理を怠るわけにはいかないとシュミットは語る。
「とにかく最大限集中して、できるだけピンチの状況を減らす努力を全員がすることと、全員でコミュニケーションを取ってスキを作らないこと。それが一番大事になると思います」
やはり怖いのはカウンターだ。モンゴルには身体能力の高い選手が揃っており、日本代表の森保一監督も「激しく厳しく」戦ってくることが予想される相手を警戒していた。自分たちの準備が万全でないところを突かれるカウンターの局面で失点しないためにはどうすればいいのか。
シュミットは「しっかり数的優位を作って、1人カバーをつけて対処させるというか、そういう対応ができれば危ない可能性は低いと思う」と分析する。
もう1つ、気をつけたいのは危険な位置からのセットプレーだ。流れに関係なくゴールが生まれる可能性のある場面では、「GLが飛び出してキャッチというのが全員にとって簡単で安心な状況だと思うので、それをできるだけ出せればいい。セットプレーはやっぱり集中が大事」とシュミットは普段プレーするベルギーリーグでも安定しているハイボールの処理などで貢献していく構えだ。
さらに「しっかり大きくクリアすべきところか、またつないでいくところか、今の日本代表のスタイルで言えばそこの判断、見極めが大事だと思う。しっかりリスクを回避する時は大きくクリアしてとか、そういう判断を選手個人でできれば、また(自分から)声かけてできればいい」と解決すべき課題もしっかり見据えている。
ベルギー1部のシント=トロイデンで経験値を上げ、様々な学びを得た守護神に出番は訪れるだろうか。日本代表とモンゴル代表の対戦は、10日19時35分キックオフ予定となっている。
【了】