ベルギー2部のロケレンに所属するDF小池龍太【写真:Getty Images】
夏の移籍市場で柏レイソルからベルギー2部のロケレンへ新天地を求めたDF小池龍太。欧州初挑戦ながら、すでに右サイドで確固たる地位を築きつつある。
シーズン序盤は右サイドバックとして、最近ではチーム事情から推進力や運動量、守備力を期待されて右ウィングとしての起用が続いている。「今は新しいポジションを自分なりにもチームなりにもトライしている感じ」という中で、現地26日に行われたクロキー・カップ(ベルギーカップ)のラウンド32、ロイヤル・アントワープFC戦にも右ウィングとして先発出場した。
後半途中からは選手交代にともなって本職の右サイドバックとしてもプレーし120分間走りきったが、小池はロケレンを勝利に導くことはできず。延長戦までもつれたも試合は4-2でアントワープに軍配が上がった。
最後に勝ち負けの分かれ目となった差は何か。背番号3の日本人サイドバックは、アントワープとの対戦を通して差を実感し、今後伸ばしていくべき部分を見出しつつある。
「アタッキングサードに入るまでのプレーで何度かイージーなボールの失い方が多かったし、逆に相手はそういう失い方が少なくて、そこが大きな差。そこから失点があり、4点取られたという形ですけど、逆に言えば本当にそこだけの差というか、自分たちがフリーにプレーできるエリアに行くまでに、もっと正確に、安全にプレーしなきゃいけないし、逆にそのレベルに達せれば、僕らはもっと高いリーグでできると思う」
戦う姿勢や球際の粘り強さなどには、アントワープもロケレンもそれほど差はない。軽率なミスをどう減らしていくか。この課題の克服はリーグ戦での巻き返しにもつながってくる。
そして小池は欧州に渡り、「まだトライしている段階」ではありながら、「ここからもっとサッカーを理解したり、どういうプレーをすればいいか理解した上でやれば、もっと成長するかなと思います」と個人としての手応えもつかみ始めた。
「やっぱり日本でやるプレーと、ヨーロッパでやるプレーはちょっと違うかもしれないですけど、その中でこっちで成長できる部分はすごく大きい。試合のハードさは、やっぱり日本とは全然違うし、1試合1試合で戦う回数だったり、走るスピードだったりとか距離もすごく増えていて、そういったところのタフさはこっちにきてより能力が向上したと思う。これからもっとクイックさとか、そういうので相手を上回れるようになればと思います」
JFAアカデミー福島からJFL、J3、J2、J1と駆け上がり、欧州にたどり着いた苦労人は地に足をつけて前に進む。厳しい環境で揉まれ、たくさんの学びを吸収することができれば、小池はよりスケールの大きなサイドバックとして大成できるはずだ。
(取材・文:舩木渉【ベルギー】)
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