PSVの堂安律【写真:Getty Images】
現地時間25日にオランダ・エールディビジのPSV対フローニンゲン戦が行われる。古巣との対戦となるPSVの日本代表MF堂安律は、試合に向けてオランダメディアでも注目を集める選手の一人となっている。
フローニンゲンでの過去2年間の活躍を高く評価された堂安は、今夏にオランダの強豪PSVへ完全移籍。だが先週末のアヤックスとの大一番では出場なしに終わるなど、ここまではポジション争いに苦戦を強いられている。
古巣フローニンゲンとの試合はミッドウィークに行われることもあり、マルク・ファン・ボメル監督がメンバーの入れ替えを行い、堂安を移籍後初の先発に起用するのではないかとの見通しもある。出場機会を得られればアピールへの大きなチャンスとなるかもしれない。
オランダ紙『デ・テレグラーフ』ではこの試合に向けて、堂安のフローニンゲンからPSVへの移籍実現の経緯を振り返った。当初はPSV側が最大800万ユーロ(約9億4000万円)での獲得を望んでいたのに対し、フローニンゲン側は1400万ユーロ(約16億5000円)の巨額移籍金を要求していたという。
最初に両クラブが接触した時点では、フローニンゲン側は交渉を行うのではなく、「なぜ堂安に1400万ユーロの価値があるか」をPSV側に熱心に説明したとされている。交渉は停滞したが最終的にはフローニンゲン側が折れる形となり、PSVは「達成可能なボーナスと、達成の可能性が低いボーナス」を含めて最大850万ユーロ(約10億円)で堂安を獲得したとのことだ。
『アイントホーフェンス・ダフブラート』では、堂安がもたらすと期待される経済効果について専門家が分析。堂安は「日本で最も人気のある3、4人のサッカー選手の一人」であり、来年の東京五輪出場を通して日本市場への訴求力のさらなる高まりが期待できるとされている。
一方で同紙は、フローニンゲンで「スター選手」だった堂安もPSVでの現状は「多くの選手の一人」であり、今後のピッチ上でのプレーで実力を証明することが必要になるとも指摘。古巣との試合がその第一歩になるとしている。
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