ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉【写真:Getty Images】
中島翔哉に先発でプレーするチャンスが巡ってきそうだ。ポルトは現地25日にタッサ・ダ・リーガ(リーグカップ)の初戦でサンタ・クララと対戦する。
すでに22日のリーグ戦で同じ相手に2-0で勝利し、中島は後半から途中出場していた。ゴールに絡む場面こそなかったものの、そこで見せた献身的なパフォーマンスには現地メディアなどから高く評価された。
現在ポルトは国内リーグ、ヨーロッパリーグ(EL)、国内カップ戦が続く連戦の最中にあり、公式戦6連勝中とはいえ主力選手には疲労が見えてきている。そのため25日のサンタ・クララ戦で大幅な先発メンバーの入れ替えが予想されている。中島も8月13日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)予選3回戦2ndレグのクラスノダール戦以来となる先発出場の大きなチャンスと予想されている。
他には同様に出場機会の限られているDFディオゴ・レイチ、DFチャンセル・ムベンバ、DFレンゾ・サラビア、MFブルーノ・コスタ、MFロマーリオ・バロ、FWヴァンサン・アブバカル、FWファビオ・シルバといった面々にもチャンスが与えられそうだ。
ポルトガル各紙では、20歳のGKジオゴ・コスタのトップチームデビューと、昨季途中に加入して今夏から完全移籍となったMFママドゥ・ラウムの起用が注目されている。『レコード』、『ア・ボラ』、『オ・ジョーゴ』といった大手各紙が紙面を大きく割いて2人への期待を特集しているほどだ。
前者はポルトガルU-20代表の中心選手にしてポルトの生え抜き選手でもあり、かつて同国代表を長きにわたって支えた守護神ヴィトール・バイーアの再来と言われるほどの逸材だ。昨年はポルトガルU-19代表の一員としてU-19欧州選手権制覇に大きく貢献し、国際的な評価も高い。
後者は昨季途中にブラガから期限付き移籍で加入したセネガル代表の大型セントラルMFで、これまで出番は限定的だったが、主力のMFダニーロ・ペレイラやMFマテウス・ウリベを脅かしうる存在になれるか正念場を迎えている。
『ア・ボラ』紙は「セルジオ・コンセイソン監督がチームに抜本的な変更を加えることはあまりないが、シーズン序盤で出場機会の少ない選手たちに機会を与えるべき」と論じ、「ディフェンス、中盤、前線のいずれでも、いくつかの動きの長所や短所を分析する必要があり、変更を加えることは深刻なものではない」と勇気ある決断を求めていた。
ポルトは今季リーグタイトルの奪還だけでなく、EL、ポルトガルカップ、リーグカップの四冠に挑めるチャンスがある。そのためには一部の主力だけでなく、チームの全員が戦力として機能するめどをつけていく必要がある。リーグカップはその意味で重要なテストの場になりうるだろう。
中島はさらなるチャンスを掴もうとギラつく選手たちの中で、積極的にストロングポイントをアピールしていけるだろうか。高く評価された前節でのパフォーマンスを継続し、より攻撃面で魅力あるプレーを披露し、目に見える結果を残していけるかが、より出場時間を伸ばしてリーグ戦やELで定位置を奪い取るための鍵になる。
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