イランの女性ファン【写真:Getty Images】
イランのスポーツ大臣および同国サッカー連盟は、来月に行われるイラン代表のホームゲームにおいて、女性ファンがスタジアムで観戦することを認めると表明した。アジアサッカー連盟(AFC)公式サイトが伝えている。
イランでは女性によるサッカー観戦が禁じられ、男女差別であるとして国際的に批判の対象となっている。国際サッカー連盟(FIFA)では同国に対して状況の是正を繰り返し訴えかけていた。
10月10日には、カタールワールドカップ・アジア2次予選のイラン対カンボジア戦がテヘランのアザディ・スタジアムにて開催される。スポーツ大臣のマスード・ソルタニファル氏によれば、同国の宗教当局および議会と協議の上で、この試合での女性の観戦を認める決定が下されたとのことだ。
FIFAはクラブチームも含めた全ての試合を女性に開放することを求めているが、まずは国際試合のみが承認されたとのこと。カンボジア戦では約10万人収容のスタジアムに対して女性用に4600枚のチケットが売り出され、入場ゲートや観戦スタンドは男女別に用意されるとのことだ。また、通常以上に警備を強化することも明らかにされている。
昨年11月に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝のペルセポリス対鹿島アントラーズ戦でも数百人の女性観客が試合を観戦したが、多くは選手の関係者や女子チームのメンバーだと報じられていた。カンボジア戦では「イランの全ての女性がチケットを購入できる」とされている。
対戦相手となるカンボジア代表は、本田圭佑が実質的な監督を務めるチーム。プレー以外の面でも世界的に注目を集める一戦に臨むことになりそうだ。
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