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中島翔哉にチャンスは? ポルトの新ライバルはキーマン不在のポジションへ

text by 編集部 photo by Getty Images

中島翔哉
中島翔哉はポルトで再びチャンスをつかめるか【写真:Getty Images】

 中島翔哉に再びチャンスは与えられるだろうか。日本代表の背番号10が所属するポルトは、現地22日にポルトガル1部リーグ第6節でサンタ・クララと対戦する。

 セルジオ・コンセイソン監督は21日に行われた記者会見で、サンタ・クララ戦に向けて「我々は対戦相手のことも見ているが、主には自分たちが何をしたいのかだ」と、あくまで自分たちのやり方を貫く姿勢を見せた。

 一方で「サンタ・クララは昨季安定した戦いぶりだったように、非常に組織されたチームで、普段からビッグクラブにとって難しい相手だ。明日も我々にとって難しい試合になることを予想している。今季も特に守備面でよく組織されたチームであり続けている」と、対戦相手の堅守に警戒を示していた。

 ポルトは前節のポルティモネンセ戦の終盤にレッドカードで退場となったDFアレックス・テレスが出場停止のため、攻守におけるキーマンの1人が不在となる。その空いた左サイドバックのポジションには本来は右サイドが主戦場のDFウィルソン・マナファが起用される見込みだ。

 コンセイソン監督は記者会見の中で「それは1つの仮説となる」と明言は避けたが、実質的に控え不在の左サイドバックで新たなオプションを試しておきたいだろう。マナファはポルティモネンセ時代に左サイドバックで1シーズン戦った経験があり、2ゴール5アシストと際立った結果も残していた。

 ポルトのサイドバックは慢性的な人材難となっている。右サイドバックでは新加入のアルゼンチン代表DFレンゾ・サラビアが欧州のスタイルへの順応に苦しみ、マナファも信頼を勝ち取れていない。現時点では本来右ウィングのヘスス・コロナがコンバートされ、攻撃面で存在感を発揮している。左サイドバックはアレックス・テレスが絶対的で、控え不在の状況だ。

 マナファは19日のヨーロッパリーグ(EL)のグループリーグ初戦・ヤングボーイズ戦の後半途中から左ウィングで試された。中島にとっては新たなライバル登場ということにもなるが、サンタ・クララ戦で同い年の背番号18が左サイドバックに入ることになれば、再びチャンスを得ることにつながるかもしれない。

 中島とマナファはポルティモネンセ時代もチームメイトで、共にピッチ上で戦った経験も豊富なため連係面に不安はないはず。しかも相手が堅守を武器にしているならば、両サイドが攻撃的に振る舞うことはゴールを奪うために不可欠だ。

 ポルトの左ウィングはFWルイス・ディアスが定位置を確保しつつあり、中島がサンタ・クララ戦でいきなり先発は難しいかもしれない。それでも限られた時間の中でマナファと共にかつてのようなコンビネーションを復活させられたなら、ポルティモネンセ出身の2人がポルトのチーム内競争をさらに活性化し、今後の鍵を握る存在になる可能性も十分にある。

(取材・文:舩木渉【ポルトガル】)

【了】

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