ボローニャのシニシャ・ミハイロビッチ監督【写真:Getty Images】
日本代表DF冨安健洋も所属するボローニャは、劇的勝利の喜びを闘病中の指揮官とも分かち合った。伊紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』など複数メディアが伝えている。
ボローニャは現地時間15日に行われたセリエA第3節の試合でブレシアと対戦。アウェイで1-3のリードを許して前半を折り返す苦しい展開となったが、後半立ち上がりに相手選手の退場で数的優位に立つと、そこから3点を奪って4-3の逆転勝利を収めた。冨安も3試合連続の先発フル出場で勝利に貢献している。
ボローニャを率いるシニシャ・ミハイロビッチ監督は、今季プレシーズン中に白血病を告白して現在闘病中。開幕から2試合は一時退院により指揮を執ったが、治療の第2段階に入るため再入院している。
ブレシア戦のハーフタイムには、ミハイロビッチ監督が電話を通してチームを鼓舞したことも逆転に繋がったようだ。指揮官不在でも“闘将”の魂を受け継いだような戦いをぶりを見せたチームは、アウェイでの試合を終えたあとミハイロビッチ監督のもとへ向かった。ボローニャに戻ったチームバスはそのまま同監督が入院中の病院に立ち寄ったとのことだ。
すでに時間は夜となっていたが、選手たちやスタッフらはバスを降り、病院の敷地内で監督に捧げるチャントを歌う。ミハイロビッチ監督も病室の窓から姿を見せ、その声に答えていた。
「今日のお前たちは見事だった。だが我々はまだ何も成し遂げてはいない」と指揮官はチームに向かって声をかけたという。強い団結力を感じさせるボローニャは、この日の勝利で暫定2位浮上を果たしている
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