CLも戦う上でどこまで結果を残せるか
昨季、クラブ史上初のCL出場権を獲得したアタランタ【写真:Getty Images】
昨季のセリエAで旋風を巻き起こしたのがアタランタだ。FWアレハンドロ・ゴメスやFWヨシップ・イリチッチ、FWドゥバン・サパタらが大爆発した同クラブは、勝ち点69を稼ぎ3位でリーグ戦をフィニッシュ。クラブ史上初となるチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得するなど、印象的なパフォーマンスを見せたのである。
昨季リーグ戦で記録した得点数「77」はセリエA全20チーム中最も多い数字となっている。代名詞でもある3バックシステムを用いるジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の下で、同クラブは圧倒的な強度を誇ったと言えるだろう。守備時はマンツーマンで対応し、高い位置からプレスをかけ少ない人数でゴールへ向かうといった姿勢が今季も健在であれば、再び上位へ食い込むことは可能となるはずだ。
しかし、チャンピオンズリーグ(CL)とリーグ戦、国内カップ戦を戦う上で、アタランタがどこまでプレー強度を保てるかは未知数だ。選手の層はそこまで厚いとは言えないため、疲労は少なからず障害となってくるはず。そうした環境の中で、いかにして自分たちの特徴を発揮していくのかは、新シーズンのアタランタにおける課題となることは間違いない。
昨季は旋風を巻き起こしたアタランタだが、今季はさらに厳しい戦いが待っているだろう。ガスペリーニ監督、そしてチーム全体としても2019/20シーズンは真価が問われることになりそうだ。
充実補強で期待値「大」
今季からインテルを率いるアントニオ・コンテ監督【写真:Getty Images】
昨季のインテルは、シーズン序盤こそ安定して勝ち点を奪っていたが、終盤にかけて失速し、4位でリーグ戦を終えている。2季連続でチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得したとはいえ、やや物足りなさが残るシーズンとなった。
エースのFWマウロ・イカルディがピッチ外の問題で戦力になり切ることができなかった昨季は、得点力不足が目立ったインテル。1試合あたりの平均シュート数は16.7本でリーグ3番目に良かったが、ゴール数「57」はトップ4の中で最も低い数字となっているなど、そのあたりの課題は明らかだった。失点数「33」はユベントスに次いでリーグ2番目に少ない数字であっただけに、ゴールネットを揺らす回数を増やしていければさらに勝ち点を伸ばすことは可能だったはずだ。
しかし、もったいない昨季となったインテルだが、今季に向けての期待値は十分大きいと見ていいだろう。
夏の移籍市場で、インテルはDFディエゴ・ゴディン、MF二コロ・バレッラ、MFステファノ・センシ、FWロメル・ルカクなど実力者を数多く補強。FWイバン・ペリシッチやMFラジャ・ナインゴランはチームを去ったが、戦力的には十分だと言えるだろう。
さらに、今季からチームを率いるのがアントニオ・コンテだ。かつてユベントスやチェルシーをリーグ優勝に導いた名将の就任は、ここ最近低迷が続いていたインテルにとって大きなものとなるはずで、その手腕には期待がかかる。新戦力をうまく束ね、自慢の攻撃的なサッカーがチームにフィットすれば、ユベントスの9連覇を止めることも可能になるはずだ。
コンテ体制1年目となる今季。インテルは期待通りの結果を残せるだろうか。