復権を目指す銀河系軍団
レアル・マドリーに新加入したエデン・アザール【写真:Getty Images】
フレン・ロペテギ監督の下で昨季のスタートを切ったレアル・マドリーであったが、同シーズンは予想以上に厳しいものとなった。絶対エースであったクリスティアーノ・ロナウドが抜けた穴が大きく、得点力が低下。守備のバランスも崩れ、勝ち点を取りこぼす試合が目立った。その後、ロペテギ監督は解任され、サンティアゴ・ソラーリが新たな指揮官に就任するも状況は好転せず。結果、ジネディーヌ・ジダンがシーズン終盤に指揮官の座に戻っている。
チャンピオンズリーグではベスト16敗退、リーグ戦も首位バルセロナに勝ち点差19ポイントも離されての3位フィニッシュと、昨季のマドリーは良い所なしであった。
そんな失望のシーズンとなった昨季からの巻き返しへ。マドリーは今夏、積極的な補強を行った。現時点までにエデン・アザール、エデル・ミリトン、ルカ・ヨビッチ、ロドリゴ・ゴエスら実力者を数多くチームに加えており、昨季からの戦力アップを着実に進めている。
中でも注目はやはりアザールだ。昨季のプレミアリーグで16得点15アシストと申し分ない成績を収めた世界屈指のドリブラーは、C・ロナウドの抜けた穴を埋めるほどの活躍が求められる。もちろんポルトガル代表FWほどの得点力がないとはいえ、攻撃的なセンスは見劣りしない。マドリーの新たな顔として、チームを復権に導きたいところだ。
プレシーズンマッチでは苦戦続きで、未だ評価を上げることができていないマドリー。マルコ・アセンシオやフェルラン・メンディら負傷者も続出している状況だが、果たしてリーグ戦ではどのようなパフォーマンスを見せるだろうか。
3強の壁を打ち破るのは?
べティス、バレンシア、セビージャなどは3強の壁を破ることができるだろうか【写真:Getty Images】
バルセロナ、アトレティコ・マドリー、レアル・マドリーという3強の壁は今季もかなり分厚いものになるだろうが、それを打ち破る可能性の高いチームにも要注目だ。
昨季ヨーロッパリーグでベスト4に進出し、コパ・デル・レイ優勝を果たしたバレンシアは、バルセロナからGKヤスパー・シレッセンやセルタからFWマキシ・ゴメス、マンチェスター・シティからDFエリアキム・マンガラといった実力者を補強。さらにMFデニス・チェリシェフを完全移籍で買い取るなど、今夏の移籍市場で積極的に動いた。確かな力を持つ選手は十分揃っており、昨季と同じくトップ4入り、あるいはそれ以上を目指す。
昨季はスタートダッシュに成功しながら終盤失速し、チャンピオンズリーグ出場権獲得を逃したセビージャだが、今季も期待値は高い。パブロ・サラビアやウィサム・ベン・イェデルこそ退団したが、昨季のエールディビジ得点王に輝いたルーク・デ・ヨングやポルトのオリベル・トーレスら楽しみな選手が加入。今夏、移籍金を支払って獲得した選手は11人となっているなど、こちらも積極的に動いた。これらの新加入選手がどこまでフィットするかは注目だ。
昨季は10位フィニッシュとなったべティスもフランス代表のFWナビル・フェキルやエスパニョールのエースで昨季はリーグ戦17得点を挙げたボルハ・イグレシアスなどを獲得。こちらも実力屈指の面白い選手は揃っており、上位進出が期待できそうだ。