新MSGトリオは爆発するか
バルセロナの新MSGトリオには要注目である【写真:Getty Images】
昨季、2位のアトレティコ・マドリーに勝ち点差「11」をつけ堂々のリーガ・エスパニョーラ王者に輝いたバルセロナ。チャンピオンズリーグ(CL)のタイトルこそ逃したが、その実力は明らかで連覇を達成するには相応しいチームであった。そして今季、狙うはもちろんリーグ3連覇だ。
昨季は新戦力がおおむね実力を発揮したバルセロナ。グレミオから加入したアルトゥールやセビージャより移籍したクレマン・ラングレ、チリ代表のアルトゥーロ・ビダルらはシーズンが進むにつれ、チームには欠かせない選手になっていた。そして今季も、バルセロナには楽しみな新加入選手が存在する。
まずアトレティコ・マドリーから加入したアントワーヌ・グリーズマン。昨年行われたロシアワールドカップでフランス代表の優勝に大きく貢献したレフティーは、移籍金およそ1億2000万ユーロ(約146億円)でバルセロナへやってきた。実力はすでに世界に証明済みで、チームにとっては頼もしい存在となるはずだ。
そして、アヤックスからはオランダ代表のフレンキー・デ・ヨングが加入。パスセンスに優れ、抜群の安定感を誇る22歳のMFにも大きな期待が寄せられている。
中でもグリーズマンの起用法にはやはり注目が集まる。現時点では4-3-3の左ウィングに配置されることが濃厚だが、長く中央を主戦場としていた同選手がそのポジションでどこまで実力を発揮することができるのかは、バルセロナの新シーズンにおける重要なポイントになるだろう。もちろんリオネル・メッシ、ルイス・スアレスとの新MSGトリオが爆発すれば、他チームにとってこれほど恐ろしいことはないだろう。
勝負のシメオネ体制9年目
アトレティコ・マドリーに新加入したジョアン・フェリックスに懸かる期待は大きい【写真:Getty Images】
昨季は2位でリーグ戦を終えたアトレティコ・マドリーは、2019/20シーズンでディエゴ・シメオネ監督体制9年目を迎える。その今季は、同指揮官にとって勝負の1年になりそうだ。
今夏の移籍市場でアントワーヌ・グリーズマン、ディエゴ・ゴディン、フアンフラン、フィリペ・ルイスら主力選手が揃って退団したアトレティコ。エクトル・エレーラやフェリペ、キーラン・トリッピアーといった新戦力を的確に確保したとは言え、シメオネ監督率いるチームを知り尽くす選手がこれほど多く抜けたのは大きな痛手となるはずだ。彼らのいなくなった穴をどう埋め、そこにどのような怖さをプラスしていくか。ここはシメオネ監督の手腕が試されることになりそうだ。
だが、もちろん楽しみなポイントもある。今夏ベンフィカから加入し、アトレティコの新たなエースとして期待される19歳のジョアン・フェリックスには要注目である。
昨季、ベンフィカで大ブレイクを果たしたフェリックスは、移籍金1億2600万ユーロ(約153億円)でアトレティコに加入。背番号は「7」に決定しており、グリーズマンの後釜として活躍が期待されている存在だ。そんなフェリックスはすでにプレシーズンマッチで結果を残しており、早くもサポーターのハートを掴んでいる。2019/20シーズンに向けての期待値と注目度は確かだと言えるだろう。
リーガ・エスパニョーラは自身初の挑戦となるが、果たしてどこまで実力を示せるか。アトレティコの新シーズンにおける運命を握るのはこの男になるかもしれない。