獅子奮迅の働き。香川は“ロイス級”の存在感示せず…
マルコ・ロイスが引っ張った。18/19シーズンのボルシア・ドルトムント。過去2シーズンは怪我に泣いたドイツ代表FWが、ほぼフルで稼働した。新しく監督に就任したルシアン・ファブレは、ボルシア・メンヒェングラッドバッハ時代の教え子を主将に指名。キャプテンマークを巻いたロイスは、恩師の期待に見事応えた。
ファブレ監督によって“9.5番”のポジションを与えられたロイスは、水を得た魚のように躍動。それまでウインガーとしての色合いが濃かったスピードスターは、新たな自己イメージを築き上げたと言えるだろう。
中央に留まらず、前線を左右に広く動き、周囲とコンビネーションを築きながら、機を見てゴール前に入っていく。白い腕章を巻いたことで、ドルトムントを愛する自我が本格的に目覚めたのだろうか。トップ下で獅子奮迅の働きを見せると、ブンデスリーガの前半戦だけで11ゴール7アシストの数字を残したのである。
その姿に香川真司は「改めて尊敬」と舌を巻いた。与えられたチャンスで“ロイス級”のパフォーマンスを発揮できなかった香川は、ファブレ監督の信頼を掴めず、後半戦からトルコ1部ベシクタシュにレンタル移籍することになる。
そんなロイスに呼応するかのように、他のドルトムントの選手たちも躍動した。若手ではジェイドン・サンチョが本格的にブレイク。サイドで切れ味鋭いドリブルと高い決定力を発揮した。
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