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ドルトムント、香川真司も舌を巻いた“ロイス・システム”。強力故の弱点も…限界露呈した後半戦【18/19シーズン総括(12)】

2018/19シーズンは、これまでスペインが握っていた欧州の覇権がイングランドへと移る結果で幕を閉じた。タイトル獲得や昨季からの巻き返しなど様々な思惑を抱えていた各クラブだが、その戦いぶりはどのようなものだったのだろうか。今回はボルシア・ドルトムントを振り返る。(文:本田千尋)

シリーズ:18/19シーズン総括 text by 本田千尋 photo by Getty Images

獅子奮迅の働き。香川は“ロイス級”の存在感示せず…

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前半戦だけで11ゴール7アシストの数字を残したマルコ・ロイス【写真:Getty Images】

 マルコ・ロイスが引っ張った。18/19シーズンのボルシア・ドルトムント。過去2シーズンは怪我に泣いたドイツ代表FWが、ほぼフルで稼働した。新しく監督に就任したルシアン・ファブレは、ボルシア・メンヒェングラッドバッハ時代の教え子を主将に指名。キャプテンマークを巻いたロイスは、恩師の期待に見事応えた。

 ファブレ監督によって“9.5番”のポジションを与えられたロイスは、水を得た魚のように躍動。それまでウインガーとしての色合いが濃かったスピードスターは、新たな自己イメージを築き上げたと言えるだろう。

 中央に留まらず、前線を左右に広く動き、周囲とコンビネーションを築きながら、機を見てゴール前に入っていく。白い腕章を巻いたことで、ドルトムントを愛する自我が本格的に目覚めたのだろうか。トップ下で獅子奮迅の働きを見せると、ブンデスリーガの前半戦だけで11ゴール7アシストの数字を残したのである。

 その姿に香川真司は「改めて尊敬」と舌を巻いた。与えられたチャンスで“ロイス級”のパフォーマンスを発揮できなかった香川は、ファブレ監督の信頼を掴めず、後半戦からトルコ1部ベシクタシュにレンタル移籍することになる。

 そんなロイスに呼応するかのように、他のドルトムントの選手たちも躍動した。若手ではジェイドン・サンチョが本格的にブレイク。サイドで切れ味鋭いドリブルと高い決定力を発揮した。

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