来たる新シーズンへ、ウイング補強なるか
そういった意味では、後に欧州王者となるリバプールと戦ったCLの決勝トーナメント1回戦で、往年の“ロベリー”がいたら、結果は違ったかもしれない。ホームで行われたセカンドレグでリベリーは先発した。だが、61分にコマンと交代となった。バイエルンは2戦合計1-3で敗れ、18/19シーズンのCLはラウンド16で早々に姿を消すことになった。
このように18/19シーズンのバイエルンでは、“ロベリー”不在による影響が浮き彫りになったと言えるだろう。バイエルンを離れることになる最後のシーズンで、オランダ人とフランス人の両ウインガーの偉大さが、改めて確認されたのだ。
マンチェスター・シティ所属のレロイ・ザネの獲得が噂になり、チェルシー所属のカラム・ハドソン=オドイの獲得を狙ったように、“ロベリー”を失ったバイエルンは、19/20シーズンを前にウインガーの補強を模索している。
フランクフルトとの最終戦で2人のコレオを掲げたバイエルンのファンたちは、“ロベリー”のデビュー戦を思い起こした違いない。
09年8月に行われたヴォルフスブルク戦の当時と順番は違ったが、リベリーは61分から、ロッベンは67分から、それぞれ途中出場した。
そして72分にリベリーが左サイドをドリブルで突破して4点目を決めると、ロッベンも負けじと78分にアラバからの折り返しを左足で押し込んで5点目を決める。まるであらかじめシナリオが用意されていたかのように、“最終戦”で“ロベリー”が揃ってゴールを決め、5-1でフランクフルトを下すと、バイエルンはブンデスリーガ7連覇を達成。
決勝でRBライプツィヒを退けて優勝したDFBポカールと合わせて、2冠で18/19シーズンを終えた。
(文:本田千尋)
【了】