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日本代表 5年前

前田大然は”韋駄天苦戦の歴史”を覆すか。ポルトガル移籍を決めた理由と先輩が残した教訓【コパ・アメリカに挑んだ若き日本代表の今(3)】

シリーズ:コパ・アメリカに挑んだ若き日本代表の今 text by 元川悦子 photo by Getty Images

マリティモはどんなクラブか

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今季はJ1に昇格した松本山雅でプレーしていた【写真:Getty Images】

 川島永嗣(ストラスブール)や岡崎慎司(レスター)らベテラン勢からの「できるだけ早く海外へ出た方がいい」というアドバイスも移籍への追い風になったはず。そのタイミングでマリティモからオファーが届いた。反町監督も「ポルトガルならちょうどいいかもしれない」と語ったが、チャレンジしやすい環境だったからこそ、彼自身も決断を下すことができた。

 マリティモはクリスティアーノ・ロナウドの出身地として知られるマデイラ諸島フンシャルにある中小クラブで、昨季は11位。かつて相馬崇人がプレーしていたことがあるが、権田修一や安西幸輝が所属するポルティモネンセのように日本人受け入れに慣れていないと見られるだけに、前田もピッチ環境や言葉、生活面を含めて環境適応に苦労するかもしれない。

 指揮を執るのは42歳のフランス系ポルトガル人のアルマンド・ティシェイラ(通称=ペチート)監督。2006年のドイツワールドカップでポルトガルが4強入りした時のMFで、指導者に転じてからはボアビスタなどでキャリアを積み重ねてきた。

 自身がバランス感覚に秀でた選手だっただけに、スピード系FWの生かし方は熟知しているはず。そこは前田にとっても心強い材料だ。武器がハッキリしているだけに、そこを前面に押し出すことで、生き残っていける可能性は少なからずある。

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