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久保建英、45分間で示した可能性。まさに「黄金の左足」、天才がレアルにもたらした効果とは

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

「マドリーの傑作の匂い」

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常に縦を意識。久保はマドリーの攻撃の起点となった【写真:Getty Images】

 最後の最後まで久保はゴールへ向かった。91分にはロドリゴからのパスを呼び込んで右足でボールをコントロール。またもパスが入る直前に首を振って相手の位置を確認していたため、寄せに来たレオン・ゴレツカの動きを的確に見極めてプレスを回避し縦へドリブルを開始。たまらずドイツ代表MFはタックルに行くが、これがファウルとなりゴレツカにはイエローカードが提示されている。45分間、久保は自身のやるべきことを貫き通したと言えるだろう。

 チームは後半にロベルト・レバンドフスキ、セルジュ・ニャブリにゴールを許し、ロドリゴのFKで1点を返すものの1-3で敗北。久保にとってはほろ苦いデビュー戦となったが、個人に目を向ければ初戦の出来は決して悪くなかった。同選手にとっても、そしてジダン監督にとっても収穫があったゲームとなったのではないか。

 バイエルン戦における久保には早くも称賛の声が相次いでいる。スペインの『マルカ紙』は「後半にチームは崩れたが、久保は他の選手にはなかった勇気あるプレー、とくに黄金の左足を披露した」とし、続けて「マドリーの傑作の匂いがする」と大絶賛していた。

 ジダン監督の目に久保がどう映ったかは定かではないが、恐らく好印象は抱いたはずだろう。やはり後半のメンバーの中ではひと際存在感を放っており、45分間という限られた時間で特大の可能性を見せたからだ。

 とはいえ、まだ1試合を終えたばかり。マドリーは24日にアーセナル戦、27日にはアトレティコとの一戦が控えている。だが、久保が継続して輝きのあるパフォーマンスを示すことができれば、トップチーム定着も不可能ではないはず。今後、ジダン監督が久保をどう起用していくのかは興味深いが、アザールやモドリッチ、トニ・クロースといった世界的名手との共演にも期待したいところだ。

(文:小澤祐作)

【了】

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