未完の完成品
「相手は人についてくるので、スペースを使ってパスを回した。(人が動けば)人がいたところがスペースになるので、そこへ誰かが入る。3人目を使って、相手を見ながらボールを運べました」(田中碧)
多少ぎくしゃくしたところもあったが、田中と下田のところでボールを保持して奪わせず、FC東京の2トップによるプレスを無力化していた。
「相手が嫌になるぐらい回せた」(田中)
昨季の出場は4試合。今季は第19節時点で12試合に出場し、11試合は先発出場。しかも9試合はフル出場、89分間プレーした試合を含めると10試合。堂々のレギュラーといっていい。大島僚太、守田英正の負傷欠場があったとはいえ、20歳の田中は川崎に不可欠の選手になっている。FC東京戦の終盤、短い時間ではあるが右サイドバックでもプレーした。
「びっくりしましたけど(笑)、難しく考えずに自分の場所を守ればいいかなと」(田中)
本人は全く予期していなかったようだが、いきなりそこを任せても大丈夫だろうという鬼木達監督の信頼がうかがえた。
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