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日本代表 5年前

杉岡大暉に芽生えた「ある思い」。ベルマーレの星が世界の舞台で得たもの【コパ・アメリカに挑んだ若き日本代表の今(2)】

シリーズ:コパ・アメリカに挑んだ若き日本代表の今 text by 元川悦子 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

久保建英や阿部裕葵も…。膨らむ思い

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昨年のルヴァンカップ決勝ではゴールを決め、MVPに輝いた【写真:Getty Images】

 Jリーグでは多少スペースを空けたり、寄せきれずにクロスを上げさせても、失点に直結しないケースが多い。しかし、チリやウルグアイにはアレクシス・サンチェスやルイス・スアレス、エディンソン・カバーニといった世界最高峰のFWがいて、ゴール前にチャンスボールが来れば確実に仕留めてくる。だからこそ、クロスを上げさせないことを徹底するしかない。杉岡はサッカーの1つの重要な真理に辿り着いたようだ。

「日本だったら『外からだったら多少ボールを上げられてもいい』っていう感じも今まではありました。でも(いかに)クロスを上げさせないかがサイドバックの最大の勝負どころ。その世界基準をつねに意識しないといけない。コパに行った自分しかその基準は経験できないことだったので、絶対に忘れちゃいけないと思います」

 世界トップを体感すればするほど、異国のハイレベルの環境を渇望するようになる。それがフットボーラーの性(さが)というものだ。ともにコパを戦った川島永嗣や岡崎慎司、柴崎岳ら先輩たち、あるいは同い年の冨安健洋らの姿勢を見るにつけ、「自分自身も海外でやりたい」という思いが杉岡を突き動かすようになったという。

「向こうでやらなきゃ経験できない寄せや環境があるというのは実感しました。Jリーグはピッチ状態やボールを含めてホントに恵まれてるなと思いましたし、『海外に行かなきゃいけない』って言ってる選手が多い理由も分かった気がしましたね。

 特に印象に残っているのは、岡崎さんと話した時に『日本だったらチームとして戦うことが多いけど、海外へ行ったらホントに個人の戦い。練習でも負けたら悔しがるのが当たり前だ』と聞いたこと。それはすごいなって思いました。試合に出るための競争は湘南にもありますけど、海外の厳しさはそれ以上。そこは自覚しなきゃいけないところです」

 同じくコパに参戦した久保建英や阿部裕葵ら同世代の選手は海外挑戦に赴く決断をした。流れは加速する一方で、中村敬斗、菅原由勢らU-20世代もチャレンジに踏み切っている。「長友佑都の後継者候補筆頭」と目される杉岡が同じ考えを持つことも自然な流れと言える。

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