曹貴裁監督からも「目に見えて変化した」
5月26日ヴィッセル神戸戦から5連敗という泥沼に陥り、J2降格圏転落危機に瀕していた湘南ベルマーレ。しかし7月7日の名古屋グランパス戦勝利でトンネルから抜け出し、14日の神戸戦も連勝。アンドレス・イニエスタやダビド・ビジャという世界トップ選手を擁する相手から勝ち点3を手にする原動力となったのが、決勝点となる2点目をマークした左ウイングバック・杉岡大暉だった。
「原点に戻ると言うか、極端にタテへ行く方向にしてみようという感じだったんで。今までもベースはありましたけど、どこかつなごうという意識が強くなっていた。チームが強くなるためには必要なことですけど、1回ほぼ100%原点に返ってやろうと。割り切ってやれたからこそミスもポジティブなものばかりだったし、いい空気が流れてました」と自ら勝利を引き寄せた背番号5は力を込めた。
6月のコパ・アメリカ2019にA代表として参戦し、3試合フル出場を果たしたことで、曹貴裁 (チョウ・キジェ)監督からも「目に見えて変化した」と言われる杉岡。準々決勝進出の道はあと一歩のところで断たれたものの、チリ、ウルグアイ、エクアドルという強豪相手に1対1の守備では負けないところを随所に示した。そこは本人も自信を抱いた点である。
「やっぱり1対1のところが一番、手ごたえがあります。ただ、それは近くで対応できた時に限ったこと。僕の中では近い距離で対峙できた時はある程度はできたのかなと。ただ、逆に行けなかった時は好き放題やられたイメージがある。今まで考えていた以上に近くにいかなきゃいけないなと思いました」と杉岡は神妙な面持ちで言う。