勝利を引き寄せた緻密なスカウティング
前線からの連動した守備に攻守の切り替え。さらに、そこからの攻撃までも効果的にしたのが緻密なスカウティングだ。
FC東京を研究したのかという問いにDF谷口彰悟は「もちろん、もちろん」とうなずくと、「一人一人の特徴だったり、どういうサッカーをしてくるとかは映像でもミーティングでも、かなりやりました。その中で自分たちがどうやってもっていけばチャンスになるとか、そこまで具体的に落とし込んでトレーニングしたので、こういう結果につながってよかったなと思います」と胸を張った。
先制点もスカウティングの賜物だった。前半20分、MF下田北斗のCKを小林が頭で沈めて、J1通算100得点を挙げた場面。「どこのコースに入るかとか、どういうボールを入れるかとか、コーチ陣がすごく熱心にやってくれていたので。自分はマークを外して、いいところに入れたので狙い通りだったし、北斗のボールがすごくよかったと思います」とエースも話す、デザインされた一撃だった。
大一番となった多摩川クラシコ。川崎Fは前節から中盤を4人変更していた。対する長谷川監督も「川崎もいい時、勝った時のメンバーをなかなか離れられないと思ったので、阿部(浩之)は使ってくると思っていますし、憲剛も使ってくると思っていました」と2人の先発は予想していた。
【次ページ】「非常に大きなゲームになった」(鬼木監督)