課題はどこに?
シーズン終盤に負傷者が続出したという不運は確かにあった。とくにCL・準々決勝2mdレグでは守備の要であるジョルジョ・キエッリーニやFWマリオ・マンジュキッチらを欠いていたため、マッシミリアーノ・アッレグリ監督からしてもマネジメントが難しかったという点はあったはず。
だが、怪我人が出るというのはどのクラブにおいても避けられない運命。ユベントスにはそれ以前に露呈してしまった脆さがあった。それは前線での守備強度の低さ、組織的な守りを見せられたチームに対してはとことん弱かったという点だ。
C・ロナウドが前線の新たな顔として君臨したユベントス。もちろん同選手の個の力は圧倒的で、幾度となくチームを救うゴールを見せつけるなど攻撃力は確かに上がった。しかし、ポルトガル人FWは守備に貢献しない。そのため前線に残った背番号7と中盤との間に大きなスペースが空くシーンも今季は何度かあり、アッレグリ監督も中盤の組み合わせを何パターンか試したが、そこを埋めきるための最適解もユベントスは見つけられなかった印象だ。
アヤックスとの準々決勝2ndレグでは前線での守備に献身的なマンジュキッチも不在。そのため、前からのプレス強度は格段に落ち、幾度となく相手にカウンターを許した。空いた中盤のスペースをうまく使われ、自陣深い位置まで簡単にボールを繋がれたのである。国内リーグではそれほど鋭いカウンターを持ち合わせているチームが少ないが、やはり欧州最高峰の舞台では相手の速攻のレベルは格段に上がる。その脆さは致命的であった。
さらに今季のユベントスはC・ロナウドを中心にした攻撃を展開したが、組織でガチっと守られた相手に対しての相性がかなり悪かった。CLのアヤックス戦は中央を固められ苦しみ、アトレティコ戦でも連動して行われたハイプレスに対し攻撃が手詰まり状態。C・ロナウドにボールを送ることさえ精一杯であった。
国内でも守備時は5バックを敷き、マンマークで対応してくるアタランタに苦戦。C・ロナウドこそ不在だったが、第28節のジェノア戦でも4-4-2のレーンをきっちり保って対応してくる相手を前に攻撃陣が停滞し、0-2の完敗を喫した。