VARで価値が向上すると下落する選手たち
そういう意味ではボックス近辺でどんどん、ドリブルで仕掛けられる選手はより重宝されるはずだ。もし相手に足を引っかけられたら確実にPKをもらえる。それを恐れて判断に迷うDFが出てくればアタッカーとしてはより突破しやすくなる。いずれにしてもドリブラーが有利な状況なのである。ラヒーム・スターリングや、モハメド・サラー、ウィルフレッド・ザハなど、突破力のある選手たちの移籍金は今後さらに高騰するかもしれない。
同時にPKの絶対数が増えるのならば当然PKキッカーの重要性も今まで以上に増すはずだ。
ちなみに昨シーズンのプレミアで最も多くのPKを決めたのは、クリスタルパレスのルカ・ミリヴォイエビッチで、10得点も決めている。回数が増えれば増えるほど研究はされていくにもかかわらず、11本中1本しかミスをしていないのだ。
一方でマンチェスター・ユナイテッドのポール・ポグバは10本中3本失敗している。あるいはエバートンのギルフィ・シグルズソンは5本中2本もPKを失敗している。
大舞台でのPKはプレッシャーのかかる大仕事であることは間違いないが、来季以降はキッカーの交代も視野に入れるべきかもしれない。あるいはこの夏のうちに研究されても問題ないよう、対策をとるべきかもしれない。
評価が上がる選手がいれば、評価が下がる選手もいる。
PKを与えてしまう立場となる守備者はどうすれば良いのか。英メディア『タイムズ』紙は、クリス・スモーリングとソクラティス・パパスタソプーロスの2選手をエリア内でのディフェンスの際に相手のユニフォームを掴んだり、腕を掴んだりした回数が多いと指摘している。
ただでさえ昨シーズンは12枚ものイエローカードを受けているパパスタソプーロスは、今まで見逃されてきた部分の改善が求められることになる。