VARの影響で変わることとは
まずVAR導入による影響として間違いないのはPKの増加だろう。
VARが初めて採用された昨年のロシアワールドカップではいずれも歴代最多となる29本のPKが与えられ、22ゴールが生まれた。またリーガ・エスパニョーラでも同様のケースが見られ、PKの数は113本から130本へ増加。結局リーグ全体の得点の10%強がPKによるものになった。
PKの増加に関しては単純にファールが見逃されなくなったという側面もあるが、スローモーションで映像を見返すと、単純な接触が必要以上にぶつかっているように見えることもあるという。そういう意味ではPKの増加に関しては、良し悪しの意見が分かれるかもしれない。
ただ確実に良いと言える現象も起こっている。それはリーガではゴール前でのダイブも減少した点だろう。より厳密な判定が可能となったことで、ダイブは無意味な行為と化したのだ。審判を欺く行為が減少したことに関しては手放しで褒めて良いはずだ。
【次ページ】VARで価値が向上すると下落する選手たち