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アーセナル、ギリギリ不合格も…「脱ベンゲル」で若手成長。勝負の2季目へ最大の課題は?【18/19シーズン総括(4)】

シリーズ:18/19シーズン総括 text by プレミアパブ編集部 photo by Getty Images

成長する若手選手たち

 ハマらない主力選手が何名かいた一方で、多くの若手選手たちを成長させた点は、シンプルにエメリの功績だろう。

 完全に伸び悩んでいたアレックス・イウォビは縦に仕掛ける意識が強まり脅威度が増した。他にもベンゲル政権下ではルールがなさすぎたことで混乱し、パフォーマンスを落としていたグラニト・ジャカは水を得た魚のようにゲームメイカーとして活躍し始める。

 そしてCBロブ・ホールディングの成長は、エメリ政権最大の功績になるはずだった。守備にいい意味での慎重さが加わり、対人戦、カバーリング共に素晴らしいパフォーマンスを披露していたのだが、第15節マンチェスター・ユナイテッド戦で、左膝前十字靭帯断裂の大怪我を負ってしまう。

 この負傷離脱さえなければ、アーセナルの守備はもう少し安定したはずだった。

 若手たちの成長と活躍は既存戦力にとどまらない。新戦力も同様だ。

 当時まだ19歳だったマテオ・ゲンドゥジはなんと開幕デビューを果たす。プレシーズンマッチで活躍していたとはいえ、実績の少ない無名選手の起用はサプライズだった。最終ラインから上手くボールを引き出し、相手の嫌なエリアを突く縦パスでアーセナルの攻撃にスパイスを加えた。

 あるいはもう一人の新獲得の中盤、ルーカス・トレイラも第6節のエヴァートン戦で初スタメンを飾り、期待以上のプレーを披露する。

 小柄なウルグアイ人MFは、危険なスペースを確実に埋める天性の危機察知能力と的確なタックルを併せ持つ。次々とボールを刈り取り、エメリが理想とするトランジションの早いサッカーを体現する存在になった。それだけでも十分だが、第14節トッテナムとのノースロンドンダービーでは、試合を決定づける4点目を決めて勝利に貢献。ファンの心情的にも、欠かせない選手へと成長していった。

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